聞いたり読んだり見たりしたら、要点を3点、心のなかから書きだしてみます。情報のアウトプット訓練になります。
情報のアウトプット能力をたかめるためには、たとえば授業や講義がおわったときに、いま聞いたこと読んだことの要点を3点、箇条書きで書きだしてみるとよいです。

そのときに、教科書やノートはいったん閉じてそれらは見ないで、おもいだしながら、心のなかから書きだすようにするのがポイントです。最初はうまくできないかもしれませんが、練習をつづけているとできるようになります。そしていったん書きだしてから、確認のために教科書やノートを再度みなおします。

この方法は、アウトプットそして情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の基本的な訓練としてつかえます(図1)。これは、黒板や教科書をただ書きうつす行為とはことなることに気がついてください。

170917 書きだす
図1 情報処理訓練のモデル




「勉強しろ!」
学校にかよっていたときに先生や親から誰もがいわれたとおもいます。しかし勉強の基礎的な仕組みについて理解していた先生や親はいませんでした。

勉強とは、先生の話をきいたり教科書をよんだりして、情報を内面にインプットし、そしてその情報を保持する(おぼえる)ことです。

先生の話をただ聞いているだけだとおぼえられないので、誰もが、黒板に書かれたことをノートにうつしたり、教科書に書かれていることをノートにうつしたりしていたとおもいます。この書きうつすという行為は情報の記銘を強化するための手段として昔からよくおこなわれてきました。

しかし書きうつすという行為は情報をコピーしているだけであって、情報のプロセシングがおこっていません。プロセシングとは心のなかで情報を処理することです。そして情報のアウトプットとは、プロセシングの結果をまとめて外面に書きだすことです。

このように、書きうつすことと書きだすこととは見かけは似ていても内容はちがいます。コピーは、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)ではありません。

このような点からみると、日本の学校教育は情報処理訓練になっていません。いわゆる「つめこみ教育」になっているのです。これは明治維新以降、西欧文明をとりいれる(模倣する)ことを国是としてきた影響のあらわれでしょう。

しかし時代はかわりました。情報産業社会に移行しました。情報処理を誰もがおこなう時代になりました。したがってできるだけはやい段階から、上記のような情報処理とくにアウトプットの訓練をはじめるた方がよいといえるでしょう。