巨大マリモ(直径約20cm)
(交差法で立体視ができます)
(交差法で立体視ができます)
マリモはなぜまるいのか? マリモ自体がもつ生命力と、台風や波などの環境の力の両者に注目することが大事です。
企画展「マリモ発見120年『マリモの謎 ―どこからきたのか? なぜまるいのか?―』」 が国立科学博物館で開催されています。実物のマリモをみたことがある人はあまりいないのではないでしょうか。
ほぼ完璧な球が形成されるのは本当に不思議であり神秘的です。球状になる仕組みの概略については展示会場のパネルで解説されています。マリモ自体がもつ生命力と、台風や波などの環境の力が絶妙にくみあわさった結果とであるとかんがえてよいでしょう。生命力と環境の両者に注目することが大事なのだとおもいます。
▼ 注
国立科学博物館企画展:マリモ発見120年「マリモの謎―どこからきたのか? なぜまるいのか?―」
マリモは、湖水にいきる淡水緑藻です。ほかの大型藻類と同様、藻体が仮根で岩や貝に付着して成長するのが基本ですが、多年生であるのにくわえ、くらがりに耐える能力がたかく、藻体同士がからみやすい、枝分かれ構造をもっているため、岩や貝のうえであついマット状になったり、それがはがれおちて湖底をただよいながら、さらに大きな塊に発達したりします。このとき、うまく浅瀬にとどまると同時に、波の力などでゆらされると、四方八方に枝がのびて丸い形に発達します。
台風などによって大きなうねりが発生すると、波の力によってこわされたり、湖岸にうちあげられたりしますが、こわれたマリモは浅瀬で成長をはじめ、ふたたび球状になります。崩壊と再生をくりかえすことで「丸い集団」が維持されています。会場では、マリモが湖底で回転するようすが動画でみられます。
マリモの断面(交差法で立体視ができます)
ほぼ完璧な球が形成されるのは本当に不思議であり神秘的です。球状になる仕組みの概略については展示会場のパネルで解説されています。マリモ自体がもつ生命力と、台風や波などの環境の力が絶妙にくみあわさった結果とであるとかんがえてよいでしょう。生命力と環境の両者に注目することが大事なのだとおもいます。
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マリモは、今から120年前(1897年)、北海道の阿寒湖で発見されました。1952年には、国の特別天然記念物に指定されました。
しかし現在、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧I類にランクされており、絶滅の危機に瀕しています。
そこで、マリモに関する教育普及とマリモの保全のために「マイマリモ」という事業がおこなわれています。ひとりひとりが、マリモに IC タグをつけてそだてるというユニークなこころみです。生態系(環境)保全活動は、地元の人々の協力・参加があってこそ可能になります。天然記念物をただ保護しようとおもってもうまくいきません。「マイマリモ」のような参加型の保全活動に期待があつまります。
▼ 注
国立科学博物館企画展:マリモ発見120年「マリモの謎―どこからきたのか? なぜまるいのか?―」