カードをならべかえて、もっともすわりのよい空間配置をみつけます。類似性に着目するのがポイントです。
『完全図解 周期表』(ニュートン別冊)は、周期表をまなぶための最新にして最適な一冊です。周期表と全118元素を徹底解説しています。日本初の命名・新元素「ニホニウム」ももちろんでています。




あるとき、メンデレーエフは元素の重さと、好きなカードゲームとの関連を思いついた。そのゲームは、ハートやスペードなどの組ごとに、数字が大きくなるように並べるものであった。早速、メンデレーエフは白紙のカードを取りだして、元素の名前と原子量などを書き留めた。そして、似た性質をもつ元素のグループごとに、原子量が大きくなる順に並べていったのだ。何度も並べかえるうちに、ついに『元素周期表』が完成した。

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カードをつかうこの方法は、梅棹忠夫の「こざね法」や川喜田二郎の「KJ法」と原理的におなじです。これは空間をつかった情報処理です。今日では、ポストイットをつかっておこなう人が多いでしょう。

カードをつかうと、前後左右にカードを自由にくみかえて、もっともすわりのよい空間配置をみつけることができます。物事には、もっともすわりのよい空間配置がかならずあります。

このとき、メンデレーエフも似た性質をもつグループに着目しました。物事の類似性に気がつくのがポイントです。これは類比法といってもよいでしょう。


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▼ 参考文献
『完全図解 周期表』(ニュートン別冊)ニュートンプレス、2017年7月2日