実際に作文をするときには、「要点→要約→縮約」という手順ですすめると骨格のある文章が書けます。
大野晋著『日本語練習帳』(岩波新書)の IV 章「文章の骨格」で提案している「縮約→要約→要点」という練習法は作文力をみがく訓練として最適です。

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そしてつぎに、他者の文章をつかうのではなく、あなたが見たり聞いたり感じたりしたことを書きだす(アウトプットする)段階にすすんでいきます。今度は作文の本番です。そこで『日本語練習帳』では、「要点から書きだす」ことをすすめています。すなわち先の順序とは逆に、「要点→要約→縮約」とすすむのです。


① まず頭の中にある事柄を、思いつくまま秩序なしにばらばらに白紙に書き付けてみる。
② それをできるだけ細かく書く。雑多なその項目表を眺めて、どれを最初に、次に何をと見定め、項目に番号を打っていく。
③ その途中で、ある項目についての準備の不足・知識の不足・考察の不足が、ここかしこに見えてくる。それの手当てとして、不足な材料を集める、調べる、考える。
それに従って書いたあと、
④ 書き上げた内容のまずいところを修正する。次に、自分で内容の要点を項目として順に書き上げて並べてみる。すると、順序が逆になっている、あるいは錯綜していることに気づく。それを整える。


たとえばテレビ番組や映画や演劇などをみたり、参考人の話をきいたり、博物館や美術館や動物園を見学したり、資料を読んだりして作文をするとします。

そのときに、まず、要点(メモ)を書きだします。たとえば映画をみたとすると、ストーリーをおもいだしながらそれぞれの場面の要点を書きだします。いきなり粗筋を書きだすことはしません。

つぎに、それぞれの要点をみながら、ちゃんとしたセンテンスでもっとくわしく書くようにします。書きもらした要点や不要な点もみつかるので適宜 修正しながらすすめます。センテンスのひとまとまりの集合をみきわめて段落もつくります。これはストーリーの要約になります。

そしてその要約をみながら、要約よりもくわしい縮約を書きあげます。これはストーリーの粗筋になります。

この「要点→要約→縮約」の方法をつかうととてもスムーズに文章が書けます。そして何よりも、しっかりした骨格のある文章が書けるようになります。これが重要です。

たとえば粗筋のあとに感想や考察を書く場合も、まず、おもいついたことの要点をメモするところからはじめるとよいです。そしてその要点(メモ)を整理してからセンテンスを書き、段落をつくり、文章を完成させていきます。


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▼ 参考文献
大野晋著『日本語練習帳』(岩波新書)岩波書店、1999年1月20日