生活習慣を改善して動脈硬化をふせぎます。脳卒中の予兆があったらすぐに検査をうけます。発症したら時間との勝負です。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』( 2017.9号)のシリーズ「現代人を悩ます五大疾病」第3回では「脳卒中」を解説しています。予兆をとらえ、寝たきりをふせぐための参考になります。脳卒中とは、脳の血管がつまる「脳梗塞」や、脳の血管がやぶれて出血する「脳内出血」「くも膜下出血」などの脳血管障害の総称です。




多くの脳梗塞の場合、大きな発作をおこす何年も前に、予兆のような症状があらわれることがあります。それが、「一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attacks)」です。
  • 視野の半分が欠ける(半盲)
  • 視野がぼやける(複視)
  • めまいやふらつき
  • はげしい頭痛
  • ろれつが回らない、うまく話せない
  • 体の片側に麻痺が出る
TIA をそのまま放っておくと、やがて本格的な脳梗塞の発作につながる危険性が非常に高いことが知られています。(中略)TIA のような症状があらわれた場合、たとえ症状が消えたとしても病院で精密検査を受けましょう。

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食事や生活習慣の欧米化によって糖尿病や脂質異常症をわずらう人がふえ、脳梗塞を発症する人の割合もふえてきているといいます。

脳卒中の最大の危険因子は動脈硬化であり、それは、高血圧や糖尿病・脂質異常症(高脂血症)などによってひきおこされます。対策としては、生活習慣の改善が重要であり、塩分をひかえ、糖分や脂肪のすくない食事をこころがけ、またすくなくとも週3〜5回は、ジョギングや水泳といった有酸素運動をおこなうのがいいそうです。さらに、血液の濃度がたかくなると血管がつまりやすくなるので、普段から水分を十分に補給するようにします。くわえて喫煙や大量の飲酒をひかえたり、ストレスをへらすことも重要です。

脳卒中の発作がおきた場合は一刻をあらそいます。119 番通報をすぐにしなければなりません。


「Face(顔)」、「Arm(腕)」、「Speech(会話)」のいずれかに異常が見られた場合は、発症した時間をチェックした上で、「Time(時間)」を最優先に救急車を呼びましょう。


これを「FAST」チェックといいます。脳卒中の治療は時間との勝負になります。

『Newton』では、「血栓溶解療法」「血栓回収療法」「コイル塞栓術」などの治療法や、その後のリハビリテーションについても解説していて参考になります。


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▼ 参考文献
『Newton』(2017年9月号)、ニュートンプレス、2017年9月7日発行