DSCF5342ba
ピグミーゴート
(交差法で立体視ができます) 
ピグミーゴートは家畜であり、半自然のモデルです。
ステレオ写真はいずれもピグミーゴート、交差法で立体視ができます。よこはま動物園ズーラシア(注1)「アフリカのサバンナ」ゾーンで撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>


DSCF5359ba



ピグミーゴート(Congo Dwarf Goat /Capra hircus)(鯨偶蹄目 ウシ科)は北アフリカ西部を原産地とするヤギです。大昔に家畜化され、家畜ヤギとして飼育されてきました。体が小さいことが特徴でああり、粗食に耐えることができます。

家畜とは、人間の役にたつように野生の動物を飼いならしたものです。それは野生ではなく、ペットでもありません。いわば半自然状態にある動物です。半自然とは、人間と自然環境の中間に位置づけられます(図1)。

170723 半自然
図1 半自然のモデル


人間が家畜をそだてはじめたときに牧畜がはじまりました。牧畜は、ひろい意味の農業にふくまれます。牧畜とともに耕作地も半自然といってよく、人間は農業をはじめて、半自然をつくりだして自然環境と共生しようとしたわけです。この点が、ほかの動物と人間が決定的にちがうところです。

歴史的にみて、農業のはじまりは文明のはじまりだったとかんがえられています。その農業には、農耕だけでなく牧畜もあったわけで、農耕革命とともに牧畜革命も重要です。たとえば東アフリカで、あるいはモンゴルで大規模な牧畜革命がおこりました。農耕革命ではなく牧畜革命がおこったところには、農耕はできなかったが家畜をつくりやすかったという独特な自然環境があったのです。

このように半自然と牧畜革命の観点から、家畜と自然環境をとらえなおしてみるとおもしろいです。




ズーラシアの「ピグミーゴート」では、ピグミーゴートたちをさわることができます。ピグミーゴートは小柄で温和な性格ですから安心です。子供たちは大喜びです。


▼ サバンナ(サバナ気候)関連記事
モデルをつかって気候帯をとらえる -『気候帯でみる! 自然環境〈1〉熱帯』(少年写真新聞社)-
環境から発想のヒントをえる - 天王寺動物園(3)-

▼ ズーラシア記事
動物とその環境を同時にみる - ズーラシア「アジアの熱帯林」(1)-
視野を拡大する - ズーラシア「アフリカのサバンナ」(1)-
生命のシステムを知る - ズーラシア「アフリカのサバンナ」(2)-
環境のひろがりを想像する - ズーラシア「アフリカのサバンナ」(3)-

▼ 動物園関連記事
立体視をして周辺視野をきたえる - ホノルル動物園(1)-
立体視をして遠近の両方をしっかり見る - ホノルル動物園(2)-
見慣れない生物をみて感受性の鈍化をふせぐ - 上野動物園(1)両生爬虫類館 -
3D画像が生じる仕組みをかんがえる - 上野動物園(2)「パンダ」-
立体視をして見る能力をたかめる - ネパール中央動物園 -
立体視をして奥行きもとらえる - バンコク・ドゥシット動物園 -
情報の階層ネットワークをつくる - 天王寺動物園(まとめ)-

▼ 注1
よこはま動物園ズーラシア
園内バス
動物とのふれあい体験

▼ 参考文献
梅棹忠夫著『梅棹忠夫著作集 8 アフリカ研究』中央公論新社、1990年7月20日
梅棹忠夫著『狩猟と遊牧の世界 自然社会の進化」(講談社学術文庫)講談社、1976年6月