文書を、階層構造をもったシステムとしてとらえるようにします。適切な段落をつくることは階層構造を構築するために重要です。
作文においては、わかりやすい単文を書くとともに、適切な段落をつくることも大事です。単文は要素、段落は単文の集合体です。あるいは単文は局所、段落は大局です。これはひとつのシステムであり、ここには階層構造があります。システムでは、局所と大局とそれらの関係が大事です。

  • 単文:要素、局所
  • 段落:集合、大局

いくつもの単文がたがいに関連をもちながら、段落として統合されたひとつのメッセージがしめされるのが理想です。

ながい文章や論文や単行本などの場合は、いくつもの段落があつまって章をつくります。こうして単文・段落・章・・・というように階層構造は大きく構築されていきます。階層構造をもったシステムとして文章をとらえることが重要です。

段落は、このような階層構造をもったシステムつくるための第一歩になります。段落がうまくつくれると階層構造がうまくできあがります。


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▼ 注1:参考文献
本多勝一著『【新版】日本語の作文技術』(朝日文庫)朝日新聞出版、2015年12月7日
本多勝一著『実戦・日本語の作文技術』(朝日文庫)朝日新聞出版、1994年9月