筋肉は、肉体労働・スポーツ・健康維持のためだけでなく、情報のアウトプットのためにも重要な役割をはたしています。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton 2017.8号』の Topic では「筋肉をつけよう!」と題して、筋肉のはたらきについて解説しています。


私たちが体を動かすことができるのは、体中にある筋肉のおかげだ。筋肉と一口にいっても、体全体をおおう「骨格筋」、心臓を拍動させる「心筋」、血管や内臓をおおう「平滑筋」の三種類に分けられ、このうち体の動きを生みだすのは、骨格筋だ。(中略)

人体に大量にある筋肉は、単に力を生みだすだけではなく、全身の健康維持にかかわるような役割も持っていることが近年明らかになりつつある。


筋肉(筋力)というと肉体労働やスポーツをすぐにおもいうかべますが、健康維持のためにも重要だということです。寿命にも影響しているそうです。筋肉をつける運動やトレーニングが必要です。




肉体労働やスポーツや健康維持のために筋肉が重要ということですが、わたしはさらに、アウトプットのための筋肉の役割をしめしたいとおもいます。

人間の器官のなかで、目や耳や皮膚などの感覚器官は、外界(環境)の情報を内面にインプットする器官であることは誰もが理解できるでしょう。そしてインプットされた情報は睡眠中におもに処理(プロセシング)されます。プロセシングとは、情報を整理したり記憶したり、イメージをえがいたり、アイデアやひらめきをえることです。

インプット、プロセシングとくればあとはアウトプットです。たとえば言葉(声)を発するときには声帯を振動させます。このときに呼吸筋もつかいます。 文章を書くときには手・指をつかってキーボードをうったり、ペンをうごかします。画家が絵をえがいたり、音楽家が楽器を演奏するときにも手・指をつかいます。あるいはダンスやバレエでしたら体全体をつかって表現します。

このように、手や体をうごかすときに筋肉がつかわれるのであり、アウトプットのときに筋肉がつかわれるのです。つまり筋肉は、情報のアウトプットのための重要な器官でもあるといえます(注)。筋肉なくしてアウトプットはできません。筋肉トレーニングは、スポーツや肉体労働や健康維持のためだけでなく、アウトプットのためにもなります。筋肉のうごきを自覚し、また制御できるように訓練することはとても重要なことです。