しっかり睡眠をとると情報処理がすすみ、発想や直観がえられやすくなります。今日のような時代の大転換期では発想や直観が必要です。
『天才の脳』(ニュートンプレス)は、記憶や直観や創造性がうまれる仕組みについてイラストをつかって解説しています。
しかしターマンの70年間におよぶ追跡調査・研究などによると、IQ テストのスコアが高いということが創造性が高いというわけではなく、IQ と創造性には相関関係がないことがあきらかになっています。
たとえばアインシュタインは、専門の物理学のみならず、バイオリンを演奏することをたいへんこのんでいました。あるいはルネッサンス期の天才たちもみな多才でした。
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▼ 注1
記憶(あるいは記憶法)は、情報処理をすすめるために、あるいは直観をえるためにおこなうというあらたな観点がもとめられます。従来のように、何でも丸暗記すればよいというのではなく、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)のなかのプロセシングの方法のひとつととらえなおすようにします。
▼ 注2
プロセシングのもっとも基本的で重要な方法は睡眠です。睡眠中に自動的に情報の処理がすすみます。多くの人々はむずかしいことをかんがえすぎています。内面へのインプットをしたら、さっさと寝る。おきたらアウトプットをする。アウトプットの努力をしていればおのずと情報が循環・成長しはじめます。
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▼ 注3
担任教師は、棒グラフの下のほうに印をつけて、「ここより下だとどうしようもありませんが、このクラスにはそのような人はいません」といいました。IQ(知能指数)のひくい生徒に同情したのでしょうが、実は、同情の背後には優越感があったのです。つまり生徒を見下していました。しかしそもそもその棒グラフはまちがっていました。
「夢のなかでひらめいた!」という天才の証言は非常に多いです。
私たちが得たさまざまな記憶(知識も含まれる)は、大脳の外側の層である大脳皮質に分散して保存される。私たちの大脳皮質には約160億もの神経細胞がある。神経細胞はつながりあって、いくつものネットワークをつくる。その中の特定のネットワークに電気信号が流れると、分散して記憶していた大脳皮質の細胞神経が同時に活動することになり、まとまった一つの記憶として思いだされる。
わたしたちが目覚めて活動しているときは、そのときどきに必要な神経ネットワークのみがえらばれていますが、夢をみる睡眠(レム睡眠)中ではこの抑制がはずれ、目覚めているときには結合がおさえられていた神経細胞もネットワークにくみこまれ、記憶情報のあらたなくみあわせが生じて斬新なアイデアがひらめくのではないかとかんがえられています(注1)。
すくなくとも、記憶情報が睡眠中にあらたにつながりくみあわされることは天才でも凡人でもおきていることはあきらかです。したがって睡眠をしっかりとることは情報処理をすすめるために必要なことです(注2)。
すくなくとも、記憶情報が睡眠中にあらたにつながりくみあわされることは天才でも凡人でもおきていることはあきらかです。したがって睡眠をしっかりとることは情報処理をすすめるために必要なことです(注2)。
また天才棋士を事例にして直観の仕組みを解説しています。直観とは無意識にはたらく思考です。実験により、大脳基底核がはたらいていることがあきらかになりました。大脳基底核でおこる反応は無意識的ですばやい、つまり直観になります。大脳基底核は大脳皮質の内部に位置しており、大脳皮質にくらべて進化的にふるい場所です。直観は、進化的に「新しい脳」の大脳皮質から、より「古いの脳」の大脳基底核に作業が移行した思考回路によって生みだされます。この大脳基底核への移行は訓練によっておこるのではないかとかんがえられています。
そして小脳も直観をうんでいるかもしれません。自転車の運転は一度おぼえてしまえば一生できます。大脳皮質の記憶が小脳に保存されて直観につかわれるとかんがえられています。
IQ(知能指数)と創造性についてはどうでしょうか。わたしは中学生のときに中学校で IQ テストをうけさせられ、テスト終了後に担任教師が棒グラフを黒板にかいて、このクラスの IQ は最低がここ、最高がここ、もちろん生徒の名前はだしませんでしたが、人間には序列があると説明しました(注3)。
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IQ(知能指数)と創造性についてはどうでしょうか。わたしは中学生のときに中学校で IQ テストをうけさせられ、テスト終了後に担任教師が棒グラフを黒板にかいて、このクラスの IQ は最低がここ、最高がここ、もちろん生徒の名前はだしませんでしたが、人間には序列があると説明しました(注3)。
しかしターマンの70年間におよぶ追跡調査・研究などによると、IQ テストのスコアが高いということが創造性が高いというわけではなく、IQ と創造性には相関関係がないことがあきらかになっています。
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それぞれの人が能力開発をおこなう場合、専門分野に特化したほうがよいのか、いろいろなことにとりくんだほうがよいのかという問題があります。たとえばアインシュタインは、専門の物理学のみならず、バイオリンを演奏することをたいへんこのんでいました。あるいはルネッサンス期の天才たちもみな多才でした。
きまりきった仕事だけをやっていればよいというのでしたら、ひとつの分野だけに最初から特化して、せまくふかくとりくめばよいですが、ひらめきや直観をえるためには、専門分野とともに、いろいろなことをやって情報ネットワークをつくっておいたほうがよいです。
実は、人間の能力はその人だけで決まるのではなく、その人が生きる時代、時代的背景がおおきくかかわっています。今日のような時代の大転換期では、きまりきった仕事だけをやっていたのでは生きていけません。ふるいやり方をつづけているといきづまります。あらたな時代に適応できないのです。天才・凡人をとわず、程度の差こそあれ、発想や直観がどうしても必要です。
実は、人間の能力はその人だけで決まるのではなく、その人が生きる時代、時代的背景がおおきくかかわっています。今日のような時代の大転換期では、きまりきった仕事だけをやっていたのでは生きていけません。ふるいやり方をつづけているといきづまります。あらたな時代に適応できないのです。天才・凡人をとわず、程度の差こそあれ、発想や直観がどうしても必要です。
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記憶(あるいは記憶法)は、情報処理をすすめるために、あるいは直観をえるためにおこなうというあらたな観点がもとめられます。従来のように、何でも丸暗記すればよいというのではなく、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)のなかのプロセシングの方法のひとつととらえなおすようにします。
▼ 注2
プロセシングのもっとも基本的で重要な方法は睡眠です。睡眠中に自動的に情報の処理がすすみます。多くの人々はむずかしいことをかんがえすぎています。内面へのインプットをしたら、さっさと寝る。おきたらアウトプットをする。アウトプットの努力をしていればおのずと情報が循環・成長しはじめます。
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▼ 注3
担任教師は、棒グラフの下のほうに印をつけて、「ここより下だとどうしようもありませんが、このクラスにはそのような人はいません」といいました。IQ(知能指数)のひくい生徒に同情したのでしょうが、実は、同情の背後には優越感があったのです。つまり生徒を見下していました。しかしそもそもその棒グラフはまちがっていました。