帰納法・演繹法・実験といった方法により法則があきらかになります。法則は、現象や物事の根本にあるものです。根本を知ることは大事なことです。
『宇宙10大法則』(ニュートンプレス)は宇宙の基本法則をイラストをつかってわかりやすく解説しています。数学がわからなくても理解できます。


  1. ケプラーの法則:惑星の動きを説明
  2. 万有引力の法則:引力は、物体の質量が大きいほど強い、距離が離れているほど弱い
  3. 運動量保存の法則:物体がもつ運動量の合計は、外から力を加えないかぎり変わらない
  4. 角運動量保存の法則:物体の質量、回転速度、回転半径の三つの積は一定である
  5. ウィーンの法則:物体から放たれる最も強い光の波長が短いほど物体の表面温度は高い
  6. エネルギー保存の法則:エネルギーは形をかえてもその総量は一定に保たれる
  7. エントロピー増大の法則:偏りのない状態へ向かう
  8. E = mc2 (E:エネルギー、m:質量、c:光速):質量とエネルギーは入れかわることができる
  9. 一般相対性理論:大きな質量をもつ星のまわりでは時空が曲がる
  10. ハッブルの法則:宇宙は膨張している


科学者はまず、宇宙や自然の現象を観察・観測してデータをあつめます。そしてあつまったデータから法則をかんがえます。方法論的にいうとこれは帰納法です。

ある法則が想定されると、今度は、その法則からみちびきだされる現象を予測します。これは演繹法です。

そしてその予測がただしいかどうか、実験をしてたしかめます。予測したとおりのことがおこれば、かんがえられた法則の確からしさが増します。何回実験しても、他者が実験してもおなじ結果がえられれば、その法則はただしいだろうということになります。

このような、帰納法・演繹法・実験を科学者がやっているということを知ることが重要です。科学は知識をえるよりも、その方法を知ることがまず大事です。しかもこの科学的な方法は科学にとどまらず、認識や情報処理の方法としてひろく応用が可能なのです。




宇宙の法則(物理法則)は宇宙の現象(自然現象)の根本にあります。

わたしたちは、現象は観察したり観測したりすることができますが、法則そのものはみることはできません。しかし宇宙には、世の中には、法則あるいは根本があるということはまちがいないでしょう。人間界でも、いくつもの法則が提案されています。たとえば経済には需要供給の法則などがあります。

このように自然界ににかぎらず、人間界においても現象や物事をみたときに、その根本をかんがえてみるとよいでしょう。これは本質追求といってもよいです。




そしていったん法則があきらかになると、今度はそれをつかってみる、応用してみるということになります。

そのときに注意しなければならないのが ゆらぎ です。法則は現象の根本にあるものであり、現象そのものではありません。根本が顕在化してきたものが現象であり、そのときには ゆらぎがかならずともないます。現象は決して完璧ではありません。

たとえば大地震はたしかに周期的に発生しますが、数学的に計算した周期どおりにはおこりません。ゆらぎがあるからです。だから地震予知(大地震がおこる日時と地点を予知すること)はできないのです。

法則と現象はちがいます。法則は現象の根本にあるということ、現象にはゆらぎがあるということは、法則をつかって仕事をすすめるときに注意しなければならないことです。