中心視野で対象を見るだけでなく、周辺視野をつかって景観も見るようにした方がよいです。目をキョロキョロさせないで中心視野と周辺視野を同時につかうようにします。
写真は、新宿御苑の日本庭園で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
目で見ることができる範囲を視野といい、それは中心視野と周辺視野からなっています(図1)。中心視野では、はっきりくっきり対象を見ることができます。 一方、その周辺にひろがる周辺視野では、周辺へいくほどぼんやりと見えますが、三次元的・構造的にその場所をとらえることできます。
たとえば中心視野で花を見たら、周辺視野で周囲の景観を見るようにします(図2)。そのときに目をキョロキョロさせないで、花を見ながら同時に景観も見るようにします。中心視野と周辺視野の両方を同時につかうのがポイントです(注2)。
周辺視野で周囲や景観を見ることは、環境を認識することにつながっていきます。また環境のなかに、興味のある対象を位置づけてとらえることもできるようになります。内面への情報のインプット能力もいちじるしく高まります。
新宿御苑の日本庭園は、ゆるやかな池のながれにそった池泉回遊式の庭園です。 ふるくは鴨場としてつくられましたが、昭和のはじめに日本庭園として改装されました。 四季のみどころが多い情緒あふれる庭園になっていて、たくさんの行楽客がおとずれます。
このような庭園では景観の保全も重要な課題になっています。しかし実際には、庭園はまもったけれども、巨大なビルが背後にたってしまったというのが現実です。
背後にビルができたという例では、たとえば東京大学の時計台の背後にも大きなビルがたってしまい、景観(あるいはスカイライン)がこわれたと多くの人々がなげきかなしんだということがありました。
世界遺産などの保全の場合にも同様な問題があります。これからの時代は景観にももっと心をくばるようにした方がよいでしょう。
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対象をとらえる次元を高める - 新宿御苑(4)-
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自然の色彩をたのしむ - 新宿御苑(6)紅葉 -
道順と撮影場所をイメージする - 新宿御苑(7)-
春を感じる - 新宿御苑(8)-
▼ 注1
新宿御苑
▼ 注2
周辺視野で景観を見るということは、目をキョロキョロさせながら中心視野であちこちを見て、その後、見たことを総合して全体を認識するということではありません。そんなことはしなくても周辺視野をつかえば一瞬にして全体をとらえることができます。実際にはこれは、無意識のうちに誰でもやってきたことですが、もっと自覚的におこなおうということです。なお周辺視野で全体を見ることは大観といってもよいです。ここに実は、「分析→総合」という従来の常識的・論理的なルートとはちがう別の情報処理のルートがあるのであり、あらたな発見や発想がうまれる可能性があるのです。
▼ 注3
環境保全をするためには環境を認知しなければなりません。そのときに、論理的・思想的に環境についてかんがえるだけでなく、周辺視野をつかう訓練をとおして実践的に環境を認知していくことが大事です。ステレオ写真をつかった立体視はその初歩的訓練であり、これは、フィールドワークへと発展させることができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
(交差法で立体視ができます)
(平行法で立体視ができます)
(交差法で立体視ができます)
(平行法で立体視ができます)
(交差法で立体視ができます)
(平行法で立体視ができます)
目で見ることができる範囲を視野といい、それは中心視野と周辺視野からなっています(図1)。中心視野では、はっきりくっきり対象を見ることができます。 一方、その周辺にひろがる周辺視野では、周辺へいくほどぼんやりと見えますが、三次元的・構造的にその場所をとらえることできます。
図1 中心視野と周辺視野
たとえば中心視野で花を見たら、周辺視野で周囲の景観を見るようにします(図2)。そのときに目をキョロキョロさせないで、花を見ながら同時に景観も見るようにします。中心視野と周辺視野の両方を同時につかうのがポイントです(注2)。
図2 対象と景観
周辺視野で周囲や景観を見ることは、環境を認識することにつながっていきます。また環境のなかに、興味のある対象を位置づけてとらえることもできるようになります。内面への情報のインプット能力もいちじるしく高まります。
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新宿御苑の日本庭園は、ゆるやかな池のながれにそった池泉回遊式の庭園です。 ふるくは鴨場としてつくられましたが、昭和のはじめに日本庭園として改装されました。 四季のみどころが多い情緒あふれる庭園になっていて、たくさんの行楽客がおとずれます。
このような庭園では景観の保全も重要な課題になっています。しかし実際には、庭園はまもったけれども、巨大なビルが背後にたってしまったというのが現実です。
背後にビルができたという例では、たとえば東京大学の時計台の背後にも大きなビルがたってしまい、景観(あるいはスカイライン)がこわれたと多くの人々がなげきかなしんだということがありました。
世界遺産などの保全の場合にも同様な問題があります。これからの時代は景観にももっと心をくばるようにした方がよいでしょう。
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植物を撮影しながら知的散歩をする 〜『新宿御苑 撮影・散策ガイド』〜
季節を意識して情報をインプットする - 新宿御苑(1)-
立体視で植物をみて目のつかれをとる - 新宿御苑(2)-
立体視により眼球の筋肉をバランスよくつかう - 新宿御苑(3) -
対象をとらえる次元を高める - 新宿御苑(4)-
花の形と花壇の構造の両方を立体視する - 新宿御苑(5)「菊花壇展」-
自然の色彩をたのしむ - 新宿御苑(6)紅葉 -
道順と撮影場所をイメージする - 新宿御苑(7)-
春を感じる - 新宿御苑(8)-
▼ 注1
新宿御苑
▼ 注2
周辺視野で景観を見るということは、目をキョロキョロさせながら中心視野であちこちを見て、その後、見たことを総合して全体を認識するということではありません。そんなことはしなくても周辺視野をつかえば一瞬にして全体をとらえることができます。実際にはこれは、無意識のうちに誰でもやってきたことですが、もっと自覚的におこなおうということです。なお周辺視野で全体を見ることは大観といってもよいです。ここに実は、「分析→総合」という従来の常識的・論理的なルートとはちがう別の情報処理のルートがあるのであり、あらたな発見や発想がうまれる可能性があるのです。
▼ 注3
環境保全をするためには環境を認知しなければなりません。そのときに、論理的・思想的に環境についてかんがえるだけでなく、周辺視野をつかう訓練をとおして実践的に環境を認知していくことが大事です。ステレオ写真をつかった立体視はその初歩的訓練であり、これは、フィールドワークへと発展させることができます。