理化学研究所は、日本の科学技術の中枢のひとつといってよいでしょう。この研究所の歴史から日本の科学技術のあゆみをかいまみることができます。
東京・上野の国立科学博物館で企画展「理化学研究所百年」が開催されています(注1)。
理化学研究所(理研)は、1917(大正6)年、今から百年前、皇室の御下賜金と財界・政界・官界・学界の協働により財団として誕生ました。
現在、物理学・工学・化学・計算科学・生物学・医科学などのひろい分野の研究者約3,000名が所属し、専門分野の研究とともに、分野横断型の研究や産業界と連携した研究がおこなわれています。
写真は平行法で立体視ができます。
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アルマイトは、アルミニウム(アルミ)の表面処理法のひとつで、そのように加工されたアルミもアルマイトとよばれます。シュウ酸(または硫酸)の溶液中でアルミを電解処理するという簡便な方法で厚い酸化皮膜をつくることができます。昭和初期に、理化学研究所で発見・発明されました。アルマイトは、腐食せず、すり減らず、丈夫な素材に改質できることから、弁当箱・やかん・キーホルダー・工芸品・部品・部材など、世界中でつかわれています。
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アルマイトは、アルミニウム(アルミ)の表面処理法のひとつで、そのように加工されたアルミもアルマイトとよばれます。シュウ酸(または硫酸)の溶液中でアルミを電解処理するという簡便な方法で厚い酸化皮膜をつくることができます。昭和初期に、理化学研究所で発見・発明されました。アルマイトは、腐食せず、すり減らず、丈夫な素材に改質できることから、弁当箱・やかん・キーホルダー・工芸品・部品・部材など、世界中でつかわれています。
ヒトゲノムの模型と解読完了報告書
ヒトゲノム計画は、ヒトのゲノムの全塩基配列を解析する国際的なプロジェクトであり、1953年の DNA の二重らせん構造の発見から50周年となる2003年に完了しました。
ニホニウムの模型と検出器
理化学研究所は2004年に、装置開発から約20年をかけ、113番元素の合成にはじめて成功しました。そして最初の合成成功から12年をへた 2016年11月30日、「ニホニウム(Nh)」が周期表に掲載されることが決定され、科学史にのこる大きな成果となりました。高性能タイヤの開発
住友ゴム工業を中心とした研究グループは、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」(注2)をつかって、ゴム内部のリアルなシミュレーションをおこない、摩擦の原因となる破壊の仕組みを解明、低燃費とグリップ性能を維持しながら耐摩擦性能を1.5倍に向上させたあたらしいタイヤの開発を実現しました。プラズマ乳酸菌製品(免疫力をつよくする乳酸菌)
理化学研究所にはバイオリソースセンターがあり、バイオリソース(生物遺伝資源)を国内外の研究者に提供し、研究の効率化や成果の拡大に貢献しています。キリンと小岩井乳業には、バイオリソースセンターから82種類の乳酸菌が提供され、免疫力をつよくする乳酸菌製品の開発がおこなわれました。
理化学研究所は当初は財団としてはじまり、そのご株式会社、特殊法人、独立行政法人をへて、2015年からは国立研究開発法人になっています。
理化学研究所というと何をやっているのか、ややあやしげなイメージを一般国民はもっていましたが、今回の展示をみてその概要を知り、まじめにやっているようだということがわかりました。
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理化学研究所は当初は財団としてはじまり、そのご株式会社、特殊法人、独立行政法人をへて、2015年からは国立研究開発法人になっています。
理化学研究所というと何をやっているのか、ややあやしげなイメージを一般国民はもっていましたが、今回の展示をみてその概要を知り、まじめにやっているようだということがわかりました。
ただし、戦前・戦中におこなわれた原子力および原子爆弾の研究、世間をさわがせた STAP 細胞の研究についての解説もあったなら、国民の理解がもっとえられたでしょう。
▼ 注1
理化学研究所百年
▼ 注2:スーパーコンピュータ「京」
理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」は、864台の計算機筐体(ラック)、82,944個の CPU で構成され、メモリ容量は1.26ベタバイト(千兆バイト)、これらが、合計20万本(総延長1,000km)以上のケーブルでつながれています。簡単にいえば、多数のコンピューターを並列接続して性能をあげる仕組みです。1台の巨大なコンピューターがあるのではありません。情報処理(プロセシング)の本質は、(直列処理ではなく)並列処理であることに気がつくことが重要です。