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コブシ(モクレン科モクレン属)
(平行法で立体視ができます)
類似点と相違点に着目して植物を観察すると今まで見えなかったことが見てえてきます。
国立科学博物館付属・自然教育園(注)をあるいていたらハクモクレンのような花をみつけました。しかしそれはハクモクレンではなくコブシでした。

コブシの花はよくみると、ハクモクレンの花よりも小さいことがわかります。ハクモクレンは、花びらとガクを含めて9枚、コブシは花びらが6枚です。また開花の時期が、コブシは、ハクモクレンよりも1週間〜10日おそいです。新宿御苑のハクモクレンは満開でしたが、自然教育園のコブシは開花したばかりで、つぼみがまだありました。

このようにコブシとハクモクレンは似ていますが相違点もあります



写真は平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>



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ノウルシ(トウダイグサ科トウダイグサ属)
トウダイグサ科トウダイグサの多年草です。傷をつけると乳液がでて、それが肌にふれるとかぶれることがあるということから、この名があります。川の氾濫源や湿地に群生します。園内の水生植物園であざやかな黄色の群落がみられました。



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ムサシアブミ(サトイモ科テンナンショウ属)
サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。花序は、テンナンショウ属特有の仏焔苞(ぶつえんほう)と呼ばれるものの中にあります。ムサシアブミは、仏焔苞が袋状にまきこんで、その形が鐙(あぶみ)という馬具に似ているといわれます。葉は2個で小葉は3枚です。園内の路傍植物園でみられました。



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ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属)
バラ科ヤマブキ属落葉低木であり、黄色の花をつけます。低山の明るい林の木陰などに群生します。背丈は1〜2m、樹木ですが茎はほそく、やわらかいです。自然教育園の入り口付近でみられます。ヤマブキ色(山吹色)といえばこの花の色のことであり、オレンジ色と黄色の中間色です。


 
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フキ(キク科フキ属)
キク科フキ属の多年草です。日本原産で、北海道から沖縄県まで分布し、また樺太から朝鮮半島や中国大陸でもみられます。山の沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などでよくみられます。自然教育園ではあちこちでみられ、群落をつくっていました。


 

何かをみるときには、類似点と相違点に着目するといろいろなことが見えてきて、観察力もつよまります。

たとえば人の顔をみて、あの人は○○さんに似ているとか、あの二人は兄弟なのに顔つきが違うとか、誰にでもすぐにわかります。似ているか違うか、直観的にわかる能力を誰もがもっています。

これをもっと意識的におこなえばよいのです。

たとえば外国にいくと実にさまざまな人々・民族がいて、それそれに特徴的な顔をもっています。似ているか違うかということに着目すれば、その人が、どこの国の人なのか、どの民族に属するのか、どのグループの人なのかといったことについて想像したり、ある程度の判断をしたりできます。その地域や国の民族構成や身分社会制度を理解したりすることもできます。

このように、類似点と相違点に注目して、さらに一歩ふみこむことによって見えてくる世界があります。

似ているか違うかは相対的なことであり、似ているものがあるから違うものがあるのであり、違うものがあるから似ているものがあります。このような観点は類推という有用な方法に通じていきます。


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▼ 注
国立科学博物館附属自然教育園