
福島原発事故によってふりそそいだ放射性物質は、森林地帯では生態系のなかを循環しています。
日本科学未来館の Lesson #3.11 サイエンティスト・トーク「森に降った放射性物質の行方」に参加してきました(注1)。
2011年3月、福島第一原子力発電所の事故により放射性物質が広範囲に飛散しました。現在、住宅地では除染がすすんでいますが、除染がすすんでいない森林地域にふった放射性物質はどうなっているのでしょうか? 名古屋大学大学院生命農学研究科教授の竹中千里さんから調査報告がありました。
放射性物質の挙動をまとめるとつぎのようになります。
このようにして、放射性物質は生態系のなかを循環しているのであり、なくりません。森林地帯の除染はできないということは誰の目にもあきらです。 福島県の森林地帯は福島県の面積の実に約7割を占めています。大変なことになってしまいました。
一方、市街地では除染がすすんでいるといいますが、除染とは、放射性物質が付着した物質をそこからとりのぞいて、別の場所にあつめて保管しているだけです。放射性物質が地球上から消えたわけではありません。この点を誤解しないでください。放射性物質の保管場所は今後どうなるのでしょうか?
放射性物質がなくなるには、一定の時間まつ以外に方法はありません。放射性物質が放射性崩壊によって半分になるまでの時間を半減期といい、たとえばセシウム137の半減期は30.2年です。約30年後にようやく半分にまで減ります。
一般の人々もこの事実を知ることが重要です。

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福島原発事故・放射性物質の行方を知る - 日本科学未来館 サイエンティスト・トーク -
▼ 注1
放射性物質の挙動をまとめるとつぎのようになります。
- 植物の葉の表面から吸収されます。
- 植物の根から吸収されます。
- 植物の樹皮から吸収されます。
- 植物内で移動します。
- 花粉とともに飛散します。
- 落葉層(落ち葉)から土壌層(土の中)に移動します。
- シカなどの動物が植物をたべて、その動物ととものに移動、糞や死体からふたたび拡散します。
- 葉を食べた昆虫とともに移動します。
このようにして、放射性物質は生態系のなかを循環しているのであり、なくりません。森林地帯の除染はできないということは誰の目にもあきらです。 福島県の森林地帯は福島県の面積の実に約7割を占めています。大変なことになってしまいました。
一方、市街地では除染がすすんでいるといいますが、除染とは、放射性物質が付着した物質をそこからとりのぞいて、別の場所にあつめて保管しているだけです。放射性物質が地球上から消えたわけではありません。この点を誤解しないでください。放射性物質の保管場所は今後どうなるのでしょうか?
放射性物質がなくなるには、一定の時間まつ以外に方法はありません。放射性物質が放射性崩壊によって半分になるまでの時間を半減期といい、たとえばセシウム137の半減期は30.2年です。約30年後にようやく半分にまで減ります。
一般の人々もこの事実を知ることが重要です。

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