
図1 情報処理の場
みずからの環境をひろげて心の場を大きくすることが情報処理をすすめるために大事です。
わたしたち人間は基本的に、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在です(図1)。
図1をみればあきらかなように、情報は、環境からはいっていきて(インプット)、環境へでていきます(アウトプット)。インプットは、目などの感覚器官をとおしておもにおこなわれ、アウトプットは手をつかっておもにおこなわれます。
図1をみればあきらかなように、情報は、環境からはいっていきて(インプット)、環境へでていきます(アウトプット)。インプットは、目などの感覚器官をとおしておもにおこなわれ、アウトプットは手をつかっておもにおこなわれます。
情報処理は、人間それ自身だけでできることでなくこのように環境が必要です。わたしたちは、感覚器官や手などをとおしてたえず環境とつながっています。 人間と環境をセットにしてつねにとらえていかなければなりません。
するとあなたの環境はどこまでひろがっているでしょうか。デスクまわりは身近な環境です。自室、自宅、職場、地域・・・。国内旅行をよくする人でしたら、たとえば北海道から九州まで環境がひろがっています。海外旅行をよくする人でしたら世界(地球)にまで環境がひろがっています。あるいはサイバースペース(電脳空間)も今日では環境の一部であり、それが大きな部分を占めつつあるでしょう。
人間と環境をあわせた全体を情報処理の場ということにすると、環境が大きくひろがっている人ほど情報処理の場も大きいということになります。情報処理の場は大きい方が情報処理がすすみます。
このような情報処理の仕組みは心の仕組みと端的にいいかえることもできます。すると情報処理の場とは心の場であるととらえなおすことができます。
このようにかんがえると、心とは、人間の脳のなかに格納されている閉鎖系ではなく、環境にまでひろがっている開放系ととらえた方がよさそうです。心とは実は大きくひろがっているのです。
たとえば宇宙飛行士は宇宙に行って、心の場を宇宙にまでひろげました。立花隆著『宇宙からの帰還』をよむと、宇宙飛行士が宇宙に行ったら、非常に大きな心的変化がおこったということが書いてあります(注1)。宇宙飛行士の心の場が宇宙にまでひろがって、情報処理に巨大なインパクトがあったことが想像できます。
たとえ宇宙に行けなくても、グラフィックサイエンスマガジンなどを見ながら、おりにふれて宇宙をイメージする習慣をもてば心の場が大きくなるかもしれません。
▼ 注1:参考文献
立花隆著『宇宙からの帰還』(中公文庫)中央公論新社、1985年7月10日