福島原発事故を経験し、わたしたち日本人は再生可能エネルギーの選択にせまられています。
日本科学未来館の特別展示 「Lesson♯3.11 ~学びとる教訓とは何か~」(注1)では「エネルギーの選択は未来の選択」と題し、再生可能エネルギーについて考察しています。
これまでの電力会社による発電と送電にはつぎのような特徴がありました。
- 大規模集中型の電源(発電所)
- 地域ごとに独立した送電網
しかし福島原発事故により、大災害のときに大規模な停電がおこり、また大災害後に計画停電が必要になることがあきらかになりました。
そこでつぎのような政策がとられることになりました。
- 全国規模での電気のやりとりができるようにする。
- 電力自由化により、発電事業と小売り電気事業に誰でも参入できるようにする。
- 消費者が、利用する電源を自由に選べるようにする。
- 小規模発電所を全国各地に分散してつくる。
具体的には、現在の電力会社を解体して、発電事業者・送電事業者・小売電気事業者に機能を分離することが徐々にすすめられつつあります。
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現在の日本の一次エネルギー消費量の割合はつぎのとおりです。
- 石油 43.3%
- 石炭 26.7%
- 天然ガス 22.6%
- 水力 4.4%
- 太陽光・風力・その他の再生可能エネルギー 2.6%
- 原子力 0.3%
すなわち石油に大きく依存しているのが実態であり、これは二酸化炭素を排出したり、石油はいずれ枯渇するなどの問題があります。
しかし再生可能エネルギーを選択するといっても、上記のデータをみればあきらかなように、再生可能エネルギーの割合は現在のところ 2.6% しかありません。再生可能エネルギーが、化石燃料にかわる基幹エネルギーになるまでにはこのままでは歴史的時間がかかってしまいます。
やはりクリーン・エネルギーをつかおうという日本国民の理解が必要です。わたしたちひとりひとりがクリーン・エネルギーにもっと関心をもたなければなりません。
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