仮説に注目することによって物事の見通しがよくなり、認識がすすみます。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton 2017.4号』では、最新のテクノロジーをつかった科学研究の最前線が紹介されています。




世界の絶景
 コロラダ湖/ジョンデイ化石層国定公園

Newton Special
 宇宙創生の光 

シリーズ:驚異の地形 第2回
 水が育む驚異の地形

シリーズ:細胞分裂のふしぎ 第4回
 不死化細胞 がん

シリーズ. 炭素の科学 第2回
 有機化学入門

Cosmic Wonder
 南半球からみた最新の宇宙

Photo Report
 奇跡のベビーマンモス・リューバ

Topic
 植物に秘められた巧妙な生存戦略

トップランナー
 脳の活動を画像化できるfMRI


世界の絶景」では、赤い藻とそれをたべるフラミンゴが生息するコロラド湖(ボリビア)と、多様な化石が発掘されるジョンデイ化石層国定公園(アメリカ・オレゴン州)の絶景写真をみることができます。

宇宙創生の光」では、宇宙最古の光である宇宙背景放射を分析することにより、宇宙創生の謎にせまります。ダークマターやダークエネルギーの存在がかんがえられます。
宇宙の創生をイメージする -「宇宙創生の光」 >>

水が育む驚異の地形」では、地形や景観の造形美のなかにフラクタルをさがしてみるとおもしろいです。
地形のなかにフラクタルをさがす - シリーズ:驚異の地形(2)「水が育む驚異の地形」 >>

不死化細胞 がん」では、がんの研究の最前線を知ることができます。がんの治療は現状ではむずかしいですが、がん研究の動向に注目することは大事なことです。
がん研究の動向に注目する - シリーズ:細胞分裂のふしぎ(4)「不死化細胞 がん」 >>

有機化学入門」では、炭素原子(C)を骨格とする化合物・有機化合物の種類や性質について知ることができます。

南半球からみた最新の宇宙」では、さまざまな波長の光で宇宙の謎にせまります。南半球の望遠鏡は、わたしたちがいる天の川銀河の中心方向の観察にも適しています。

奇跡のベビーマンモス・リューバ」では、北極圏シベリアで冷凍状態で発見された赤ん坊のマンモスの解剖学的な構造が、X線CT(コンピュータ断層撮影)によりあきらかになります。

植物に秘められた巧妙な生存戦略」では、したたかな植物たちの生存戦略をみることができます。生存戦略の視点から植物をみなおしてみると、植物のちがった側面を知ることができます。
植物の生存戦略をみる -「植物に秘められた巧妙な生存戦略」>>

脳の活動を画像化できる fMRI」では、体を傷つけることなく脳の活動を測定し、画像化する手法「fMRI」(機能的核磁気共鳴画像法)」の開発をしている小川誠二博士が登場します。




科学・技術の進歩はいちじるしく、日々、膨大なデータが蓄積されています。科学の進歩は基本的には目による観察を基礎としますが、近年では、分析や解析のためのテクノロジーやコンピューターが、科学研究を大きく前進させるうようになりました。このような技術についてもある程度しらないと、科学研究の最新の成果もわからないという状況になってきています。

しかしどんなに技術が発展しても、多様なデータから仮説をたてるという科学の基本的な方法は何も変わりません。

したがってデータが膨大で複雑そうにみえる科学研究ですが、科学者がたてた仮説に注目することによって見通しが意外によくなり、最新の成果もわかりやすくなります。仮説は、認識をすすめる手段として重要です。


▼ 参考文献
『Newton 2017.4号』ニュートンプレス、2017年4月7日発行