iMac、iPod、iPhone、iPadなど、数々の革新的な商品で世界を魅了しつづけたアップル社の天才スティーブ=ジョブズの名語録です。

無名だった20代前半から、アップル追放の挫折をへて、あらたな成功にいたるまでの発言を厳選し、それぞれについて解説がくわえられています。

スティーブ=ジョブズの発明の流れを、彼の言葉を通して理解することができます

ジョブス小史をおさえてから本文を読むと理解しやすいです。

1955 誕生
1976 アップルを創業。「アップルI」発売
1985 アップルを追放される
1996 アップルに復帰
1998 「iMac」発売
2001 「iPod」発売
2003 「iTunes Music Store」開始
2007 「iPhone」発売
2010 「iPad」発売

本書は、右ページにジョブズの言葉、左ページにその解説がのっていて、見開き2ページで完結する非常にわかりやすレイアウトになっています。速読法や記憶法の訓練教材としてつかってもおもしろいです。

印象にのこるいくつか言葉をピックアップします。

次にどんな夢を描けるか、それがいつも重要だ。(p.38)

歳をとればとるほど、動機こそが大切だという確信が深まる。 (p.52)

お金が目当てで会社を始めて、成功させた人は見たことがない。 (p.54)

すぐれた人材には、束ねる重力のようなものが必要だ。 (p.72)

研究費の多寡など、改革とは関係はない。 (p.82)

この地上で過ごせる時間には限りがあります。本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、二つか三つくらいしかないのです。 (p.88)

点が将来結びつくと信じなくてはいけない。信じるものを持たなければいけないのだ。 (p.122)

創造とは結びつけること。 (p.124)

大事なのは自分の心に素直になることだ。 (p.128)

IBMはパソコンを知性の道具ではなく、データ処理の機械として売っている。 (p.146)

自分の居場所を自分でつくるんだ。 (p.184)

よけいなことをしなければ、ものごとはひとりでに進んでいく。(p.204)

君たちは技術と文化を融合させるアーティストだ。芸術家は作品にサインするものだ。(p.214)

わたしは1990年代から首尾一貫してアップルをつかっていて、アップルとともにあゆんできました。1990年代の中ごろには、「いつつぶれるかわからない会社の機械をつかっていてもダメだ」と情報科学のある専門家から わらわれたこともありましたが、今こうしてスティーブ=ジョブズの言葉をかみしめてみると、スティーブがビジョンをもって発明をつづけていたということがわかります


文献:桑原晃弥著『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』(PHP文庫)PHP研究所、2010年8月18日

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