海洋の環境破壊がすすんでいます。海の環境保全についてもっと関心をはらわなければなりません。

『ナショナル ジオグラフィック 2017.2号』では、「変わりゆく海を守る」と題して、オバマ前大統領などがおこなった海洋の環境保全について解説しています。




2016年夏、バラク・オバマ前大統領は、二つの海域の保護に取り組んだ。大統領には、歴史的・科学的に重要な国有地や米国の海を遺跡保護法に基づいて保護する権限がある。

まずオバマは、ハワイ北西部のパパハナウモクアケア海洋国立モニュメントの規模を4倍にした。

さらにその3週間後、オバマは米国東岸沖で初の海洋国立モニュメントを指定した。

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パパハナウモクアケア海洋国立モニュメントは、絶滅のおそれがあるシロナガスクジラやハワイモンクアザラシなどがすみ、サンゴ礁とともに海洋生物の宝庫になっています。この海域では、娯楽のための釣りか、自給目的の漁しかみとめられていません。

米国東岸沖で初の海洋国立モニュメントは、コッド岬から南東に210キロメートルはなれた海底谷や海山の周辺、1万2725平方キロメートルのエリアであり、ノースイースト・キャニオン・シーマウント海洋国立モニュメントとさだめられました。

地上の環境問題にくらべて海の環境問題はみえにくく軽視されがちですが、水質汚染や海洋生物の乱獲などがいちじるしくすすんでいます。たとえば二酸化炭素の3割が海洋に吸収されるため、産業革命以降、海水の酸性度は30%もつよくなりました。また海水温が上昇しており、サンゴ礁の白化、生態系の悪化などもすすんでいます。

海洋の環境保全をすすめる場合、つねに問題になるのが漁業や海洋資源の利用とどのように折り合いをつけるかということです。漁業関係者などが保護区指定にはつねに反対します。

しかし海洋の環境保全は、気候変動の影響をうけにくい生態系を再構築するために必要です。また海は世界中、どこまでもつながっています。海洋の環境保全は人類的・地球的課題です。

本誌には、米国大統領(オバマ大統領/当時)が、足ビレと海水パンツ・水中メガネ・シュノーケルだけをつけて、太平洋ミッドウェー諸島のサンゴ礁の海をおよいでいる貴重な写真が掲載されています。


海に飛び込んだ時の感動がわかるし、ウミガメが波間に姿を見せるこのとの大切さも理解している。(中略)私はこの目で見た。人間がしつこく破壊しようとしなければ、自然は自ら立ち直る。(バラク・オバマ)


この目で見た」というのが印象的です。わたしたちも海洋にもっと関心をはらわなければなりません。


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▼ 文献
『ナショナルジオグラフィック 日本語版 2017年2月号』日経ナショナル ジオグラフィック社、2017年1月30日