大局的な見方と小局的な見方を同時にはたらかせて、ホロニックな理解ができるようになると情報処理が一気にすすみます。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』は 2017.3号から、あたらしいシリーズ「驚異の地形」を開始しました。その第1回は「大地が生みだす驚異の地形 地球に巨大な凹凸をつくりだすプレートの力」です(注1)。
地球の表面は、「プレート」とよばれるかたい岩盤におおわれています。プレートがわきだずところやプレートどうしがぶつかりあったりすれちがったりする場所では大地が大きくゆがみ、壮大な地形が誕生します。
写真とともにつぎの実例が紹介されています。

地球上でみられるこのような地形はプレートの境界付近でどれも形成されました。
プレートは、いくつにもわかれて複雑にいりくんで地球をおおっていて、地球内部のマントル対流にともなってすこしずつ移動し、たえずおしあいへしあいしています。
プレートとプレートの境界にはつぎのようなタイプがあります。
このようにさまざまな地形は、地球上の大規模なプレート運動によって生みだされています。それぞれの地域の個々の地形だけをみていてもわからないことが、グローバルなプレート運動をとらえることによって認識できます。プレートは大局的な見方、地形は小局的(局所的)な見方であり、これらをくみあわせることによって理解が一気にすすむのです。
このような見方はホロニックな理解といえます。ホロニックとは、「個々には異質な要素が集合しているにもかかわらず、全体としては調和がとれているさま」(注2)のことです。たとえばわたしたち生物は、さまざまなことなる器官をもっていますが、それらが集合して、全体として調和した身体ももっています。
このように、個と全の調和をとらえることによって地球の理解も一気にすすみます。生物を理解するのも地球を理解するのも、大きさはちがいますが本質はおなじです。
ホロニックな理解は、大局的な見方と小局的な見方を同時にすることがポイントになります。大きな「目」と小さな「目」を同時にはたらかせるということであり、大局的な情報と小局的な情報を同時に内面にインプットするといってもよいです。
ホロニックに理解できる構造はいたるところに存在します。『Newton』の今回のシリーズはそのための実例のひとつとして活用できます。
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身近な地形を認識する
日本列島とその周辺域を俯瞰する -『海の底にも山がある! 日本列島、水をとったら?』-
歴史の流れを地形でとらえる 〜『地形から読み解く日本の歴史』〜
地形をみて歴史の謎をよみとく - 竹村公太郎著『日本史の謎は「地形」で解ける』(1)-
土地の地形を知って地域の歴史や人々の生活を知る -『地形のヒミツが見えてくる体感!東京凸凹地図』(技術評論社)-
▼ 注1
『Newton 2017.3号』ニュートンプレス、2017年3月7日発行
▼ 注2
デジタル大辞泉
地球の表面は、「プレート」とよばれるかたい岩盤におおわれています。プレートがわきだずところやプレートどうしがぶつかりあったりすれちがったりする場所では大地が大きくゆがみ、壮大な地形が誕生します。
写真とともにつぎの実例が紹介されています。
- サンアンドレアス断層(北アメリカ):2枚のプレートがすれちがう
- アルプス山脈シチェルカム山の褶曲:折りたたまれた地層の痕跡
- アパラチア山脈(北アメリカ):褶曲した地層が削られて大地に“しわ”がつくられる
- 大地溝帯(アフリカ):大陸を縦断する巨大な谷
- デビルズ・タワー(北アメリカ):はるか昔にかたまった溶岩
- 溶岩チューブ(西之島):火山地形の誕生

地球上でみられるこのような地形はプレートの境界付近でどれも形成されました。
プレートは、いくつにもわかれて複雑にいりくんで地球をおおっていて、地球内部のマントル対流にともなってすこしずつ移動し、たえずおしあいへしあいしています。
プレートとプレートの境界にはつぎのようなタイプがあります。
- 発散型
- すれちがい型
- 衝突型
- 沈み込み型
*
このようにさまざまな地形は、地球上の大規模なプレート運動によって生みだされています。それぞれの地域の個々の地形だけをみていてもわからないことが、グローバルなプレート運動をとらえることによって認識できます。プレートは大局的な見方、地形は小局的(局所的)な見方であり、これらをくみあわせることによって理解が一気にすすむのです。
- 大局:プレート運動
- 小局:地形
このような見方はホロニックな理解といえます。ホロニックとは、「個々には異質な要素が集合しているにもかかわらず、全体としては調和がとれているさま」(注2)のことです。たとえばわたしたち生物は、さまざまなことなる器官をもっていますが、それらが集合して、全体として調和した身体ももっています。
このように、個と全の調和をとらえることによって地球の理解も一気にすすみます。生物を理解するのも地球を理解するのも、大きさはちがいますが本質はおなじです。
ホロニックな理解は、大局的な見方と小局的な見方を同時にすることがポイントになります。大きな「目」と小さな「目」を同時にはたらかせるということであり、大局的な情報と小局的な情報を同時に内面にインプットするといってもよいです。
ホロニックに理解できる構造はいたるところに存在します。『Newton』の今回のシリーズはそのための実例のひとつとして活用できます。
▼ 関連記事
地形図を読む - 山岡光治著『地形図を読む技術』-
絶景を旅しながら地形について理解をふかめる -『地形がわかるフィールド図鑑』-
身近な地形を認識する
日本列島とその周辺域を俯瞰する -『海の底にも山がある! 日本列島、水をとったら?』-
歴史の流れを地形でとらえる 〜『地形から読み解く日本の歴史』〜
地形をみて歴史の謎をよみとく - 竹村公太郎著『日本史の謎は「地形」で解ける』(1)-
土地の地形を知って地域の歴史や人々の生活を知る -『地形のヒミツが見えてくる体感!東京凸凹地図』(技術評論社)-
▼ 注1
『Newton 2017.3号』ニュートンプレス、2017年3月7日発行
▼ 注2
デジタル大辞泉