鳥瞰図をつかえば、視覚的・直観的にその地域をとらえることができます。鳥瞰のセンスをみがくことが大切です。

PHP研究所編『大空から眺める パノラマ鳥瞰地図帳』は、日本全国の23ヵ所の鳥瞰図を掲載しています。これらを見れば、上空を自由にまう鳥にあたかもなったように地上を俯瞰することができます。


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本書がおもしろいのは、おなじ地域の新旧の鳥瞰図を対比させて、それらのちがいや変化が一目瞭然になるように工夫している点にあります。

たとえば東京では、幕末期の江戸、現在の東京のそれぞれの鳥瞰図がでていて、東京の超巨大化がよくわかります。京都では、安倍晴明が活躍した時代(1000年頃)、豊臣秀吉から徳川家康の時代(1600年頃)、薩長や新撰組などが席巻した時代(1860年頃)、現在の京都のそれぞれの鳥瞰図がでていて、歴史をダイナミックにとらえなおすことができます。

鳥瞰図の発展的な活用法としてはつぎのような方法があります。

ある場所を選択して、その場所に実際に行ってみてそのなかをあるきます。そのときに、そこの鳥瞰図をおもいだして(あるいは見なおして)、あるいている自分を上空から想像してみる(イメージしてみる)のです。上空からというのがポイントです。通常とはちがうイメージ訓練です。

たとえば京都旅行をしたときにやってみると旅行体験はいちじるしくふかまり、歴史もよく理解できます。歴史のなかにタイムスリップしたような気分になれるかもしれません。




鳥瞰図は、いわゆる地図や衛星写真とはちがい、それぞれにテーマを設定して、それを見せるように工夫してあります。したがってその地域のポイントが視覚的にとらえられます。あくまでこれは視覚的・直観的にとらえるということであって、説明文をよんで要約文をつくりながら理解していく方法とはことなります。言語の回路ではなく視覚の回路をつかっているということです。


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▼ 文献
PHP研究所編『大空から眺める パノラマ鳥瞰地図帳』PHP研究所発行、2010年8月3日