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ハナビラクマノミとシライトイソギンチャク(平行法で立体視ができます)

クマノミとイソギンチャクは共生しています。自然界には意外にも共生が多いことに気がつくことが大切です。

サンシャイン水族館(注1)の「グレートバリアリーフ」展示のとなりには「クマノミとイソギンチャク」の展示があります(写真)。

ハナビラクマノミ(Pink anemonefish)は、ピンク色にちかい体色をもつクマノミの仲間であり、背中と頭に白い線があるのが特徴です。奄美大島以南、西部太平洋に分布します。すこし臆病な性格のため、イソギンチャクからはなれることができません。

シライトイソギンチャクは(Sebae anemone)はながい触手が特徴であり、水流にながれる触手がうつくしいです。触手の色にはさまざまなカラーバリエーションがあります。四国以南、西部太平洋に分布します。

この水槽では、クマノミとイソギンチャクが共生している姿をみることができます。イソギンチャクには毒がありますが、クマノミの仲間にはその毒に対する免疫があるため一緒にくらすことができ、イソギンチャクの毒によって外敵からまもられています。

クマノミは、イソギンチャクをすみかにして自分をまもり、イソギンチャクの触手を食べる魚などをおいはらってイソギンチャクをまもります。またイソギンチャクのまわりをクマノミがおよぎまわって新鮮な海水をおくることにもなり、おたがいに利益があります。

このように共生のなかでも生物がたがいに利益をもたらすものを「相利共生」といいます。クマノミとイソギンチャク、共生エビと共生ハゼなどの関係がそうです。

これに対して、片方だけが利益がある場合を「片利共生」といいます。

学校教育の理科などの授業では「競争原理」と「自然選択」をおしていますが、自然界には意外にも共生が多いことに気がつくことが大切です。たとえば昆虫と植物はかなり大規模に共生しています。基本的には自然界には共生原理がはたらいているとわたしはかんがえています。


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▼ 注1
サンシャイン水族館