多様化がすすみ、性別に関するかんがえ方は急速に変わりつつあります。時代の大転換がおこっています。

『ナショナル ジオグラフィック 2017.1号』では「ジェンダー革命」と題し、「男であること、女であること」についてまるごと一冊の大特集をしています。


■ジェンダー革命 男と女で何が違う? 9歳の視点
性別の違いによって人生はどう変わる? 世界各地で9歳の子どもたちに尋ねてみたら、興味深い答えが返ってきた。

■曖昧になる男女の境界
心と体の性が一致しない人、体の特徴からは男か女に分けにくい人。多様な性を科学の目で見ていくと、男と女の境目は、ぼやけてくる。

■「男らしさ」への道
21世紀を生きる少年たちは、どのようにして「一人前の男」になるのか。伝統的な通過儀礼が現在も残る社会もあるが、消えてしまった地域もある。

■ありのままの自分で 米国の少女たち
世間にあふれる「女の子らしさ」の定義に悩む米国の少女たちが今、等身大の自分を受け入れることの大切さに気づき、伝え始めた。

■スウェーデン パパたちの育休
世界に先駆けて育児休業制度を充実させてきたスウェーデン。制度を利用し育児に取り組む「育休パパ」たちを訪ねた。

■少女たちが見つめる希望の光
性犯罪や貧困、因習に苦しむ少女たちが、世界には数えきれないほどいる。そんな苦境に立たされた彼女たちにとって、教育こそは希望の光だ。


前世紀までは日本でも、「男は男らしく、女は女らしく」という教育が常識中の常識でした。「男の子」か「女の子」は、人間がうまれてから最初につけられる "タグ" でした。たとえば本人は理科系にすすみたかったのに、「女の子なんだから」という理由で文科系や芸術系にいかされた人々がいました。

あるいは世界の多くの地域で女の子たちは、教育の機会がうばわれるだけでなく、大きなリスクをかかえて生きています。

しかし現代は、いちじるしい世の中の多様化にともない、性別に関するかんがえ方は急速に変わりつつあります。

多様化あるいは多様性は現代の重要なキーワードのひとつです。多様化は、性別にかぎらず、人間に "タグ" をつけることと調和しません。 "タグ" からの解放が、日本だけでなくグローバルにおこっていることが本書をみるとわかります。


▼ 文献
『ナショナル ジオグラフィック日本版 2017年1月号』日経ナショナルジオグラフィック社、2016年12月29日