170104 分析
図1 大観・分析・総合の方法をつかいわける

大観・分析・総合の意味とすすめ方を再確認し、それぞれの方法をつかいわけるようにします。

自然科学者は分析をよくおこないます。本ブログも、分析の成果をとりいれて執筆をすすめています。分析は、自然科学にかぎらずあらゆる分野でつかわれている方法であり、テレビのアナウンサーやコメンテーターなども「分析しました」とよく言っています。

分析とは、ある対象を理解するために、こまかな要素に分けていくやり方であり、構成する要素に分けいって解明をすすめていく方法です。科学者が、物質を構成する成分をしらべるのは分析の例です。

分析を理解するためには、その対義語である総合について確認するとよいです。分析とは反対に総合とは、いくつものばらばらの情報をひとつにまとめあげる方法です。

しかしテレビのニュース番組などをみていると、分析と総合が区別できずに、実際には、分析ではなく情報を総合しているのに、「分析しました」と漠然といっている例がけっこう多いです。やはり、これらの方法のちがいを理解して分析と総合はつかいわけた方がよいでしょう。




そこでわたしは、これらをうまくつかいわけるために大観というもうひとつの方法をとりあげたいとおもいます。

大観とは、ひろく全体を見わたすことであり、まるごと一気に全体をとらえる方法です。たとえばスカイツリーの展望台にのぼって首都圏を全体的に見わたすのは大観です。

最近では、Google Earth があるので、スカイツリーに行かなくても首都圏を大観することができます(注1)。あるいは地球のどの地域でも地球全体でも大観することができます。これをつかわない手はありません。大観をおすすめする理由のひとつがここにあります。

あるいはそれぞれの地域や地球の情報をうまく表現した主題図や見取り図などを利用してもよいでしょう。

博物館・水族館・植物園・動物園・遊園地などにいって、全体マップ(案内図、見取り図、フロアーマップなど)をみて構造をつかむのも大観です。

速読法も大観の方法としてつかえます。まず最初に、本の全体像や構造をまること一気に(眼で)見てしまうのです。そしてここぞという部分(ページ)はくわしく読みます。




たとえば Google Earth などをつかって地域や地球を大観したら、ここぞという部分を選択して、今度はそこを、こまかくくわしくしらべます。こまかくしらべるのは分析です。

分析では、どこをふかくほりさげればよいか? 課題を明確にしなければなりません。強力な課題意識(問題意識)あるいは強烈な興味がもとめられます。課題がはっきりしないと、あっちこっちをつまみ食いするだけでおわってしまいます。実際に、そのような人を見かけることがあり、その人はそもそも課題がはっきりしていないのです。

したがって課題を明確にするためにも大観が大いに役立ちます。

課題のものとで数ヵ所が選択できたら、実際に、その場所に行ってみて情報収集をすすめます。フィールドワークをするといってもよいです。

するとたくさんの個別情報があつまってきます。これらをまとめて文章化してブログなどにアップするのは総合の方法です。ばらばらの情報を放置していても意味がありませんが、それらをくみあわせて統合すると意味がでてくるのです。

この〈大観→分析→総合〉という方法(図1)はあらゆる場面でつかえるとおもいます。


▼ 注1
Google Earth
※ 簡略には Google マップ からはいれます。

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