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ラスコー洞窟の平面図

ラスコー洞窟の3次元構造をみることによって、ラスコー洞窟をギャラリーとしてとらえることができます。

東京・上野の国立科学博物館で特別展「世界遺産 ラスコー展 -クロマニョン人が残した洞窟壁画-」が開催されています(注1)。第2展示室には、ラスコー洞窟の平面図とともに、1/10サイズの洞窟模型が展示してあり、こららを見ることによって洞窟の3次元構造を理解することができます。

クロマニョン人たちは、洞窟を、自然の「ギャラリー」としてつかってさまざまなな壁画をえがきました。

下の写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>



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洞窟の模型



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洞窟の模型



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洞窟模型の外観



ラスコー洞窟はフランスの南西部にあります。一帯は旧石器時代の遺跡の宝庫になっています。

およそ4万数千〜1万4500年前のヨーロッパには、クロマニョン人とよばれる狩猟採集生活をおくっている人々がいました。フランスやスペインを中心に、このクロマニョン人の壁画がのこっている洞窟が300以上もあり、ラスコーの壁画はそのなかでも最高傑作といわれています。

フランス政府は、保全のために閉鎖されたラスコーの壁画の復元製作をはじめました。また1/10サイズの洞窟模型をつくって洞窟全体の構造についても解説しています。

クロマニョン人たちは、洞窟の構造をたくみにつかって壁画をえがきました。ここで、洞窟は構造、壁画は要素ととらえることができます。

  • 構造:洞窟
  • 要素:壁画 

洞窟と壁画、構造と要素はおたがいにつよめあい、みごとな「ギャラリー」を生みだしています。


▼ 注1
特別展「世界遺産 ラスコー展 -クロマニョン人が残した洞窟壁画-」
国立科学博物館のサイト

▼ 参考文献
海部陽介監修『世界遺産 ラスコー展』(図録)、毎日新聞社・TBSテレビ発行、2016年

▼ 記事リンク
イメージをえがく - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(1)-
洞窟の構造をとらえる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(2)-
クロマニョン人の情報処理能力をみる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(3)-
手・指をつかってアウトプットする - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(4)- 
手をつかいこなして道具をつくる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(5)-
イメージをえがき、手をつかってアウトプットする - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(まとめ)-