ヒトにちかい霊長類、オランウータンが絶滅の危機に瀕しています。対策が早急に必要です。

『ナショナル ジオグラフィック』(2016年12月号)では、「オランウータン 樹上の危うい未来」と題して、絶滅の危機にあるオランウータンについて解説しています。


オランウータンの生息数は過去75年間で少なくとも8割減少していると推定されている。

ボルネオ島に生息するオランウータンは4万〜10万島だという。スマトラ島のオランウータンは1万4000頭にすぎないという。こうした減少を招いた主な原因は、森林伐採による生息地の破壊と、アブラヤシ農園の急速な拡大だ。アブラヤシの実は、調理用や食品添加物の原料となる。 

またオランウータンはペットとして闇市場で高値で取引きされるため、密猟者たちは母親を殺して、赤ちゃんを手にいれる。



171202 オランウータン



オランウータンとはマレー語で「森の人」という意味です。東南アジアのスマトラとボルネオにのみ生息しており、知能が高く、ヒトにちかい動物(霊長類)として知られています。樹上でくらす最大の動物でもあり、もっぱら単独で行動します。

オランウータンの頭脳と体が秘める謎を解明することは、人類をふくむ霊長類の環境への適応と進化をあきらかにするためにとても重要です。オランウータンの文化的行動からまなべることはたくさんあります。このような森でくらす「隣人」をうしなったとすると、その損失はきわめて大きいといえます。

しかしインドネシアやマレーシアなどの経済発展と森林開発が急速にすすんでいることもあり、このままではオランウータンが絶滅するのは時間の問題です。

現地政府と自然保護活動家が協力して保護区を設置するなどして、オランウータンと人間とが共存できる方法をさぐらなければなりません。

あるいは森林資源のつかい方のルールを決める、密猟者たちからまもる、現地住民もくらしていけるように、たとえばエコツーリズムをおこなうなどの解決策もあるはずです。

わたしたち日本人も、オランウータンに関心をもつところからはじめて、協力できることがないかかんがえるべきです。


▼ 引用文献
『ナショナル ジオグラフィック 日本版 2016年12月号』日経ナショナル ジオグラフィック社、2016年11月30日
▼ 参考サイト
ナショナルジオグラフィック動物図鑑「オランウータン」