海の中にもぐった気分になれる(交差法で立体視ができます)
(立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >> )
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海遊館は太平洋・環太平洋のモデルです。海遊館の「太平洋・環太平洋をめぐる旅」をすることによって、太平洋の世界を心の中につくりだし、心をゆたかにすることができます。
大阪市港区天保山にある海遊館(注1)はとてもよくできた水族館です。太平洋・環太平洋をテーマにしてさまざまな生き物を飼育・展示しています。
太平洋・環太平洋に関する水槽は以下のように全部で14個あります。番号は水槽番号です。
これらを図にあらわすと下図のようになります。
図1の中央の図形は、海遊館の水槽の形と配置、階をしめしています。海遊館は8階まであります。これをみればあきらかなように、太平洋・環太平洋の実際の地理と海遊館の各水槽の配置はうまく対応するように設計されています(注2)。
海遊館のなかにはいるとエスカレーターで8階までまずあがり、「日本の森」展示からはじまり、右回りにらせん状に階下におりながら各水槽をみていく仕組みになっています。中央の巨大な「太平洋」水槽はつねにみることができます。そしてしだいに深度をふかめ、「日本海溝」に最後は到達するというルートです。
こうして館内をあるいていけば太平洋・環太平洋を擬似的にめぐる旅ができます。海遊館がおもしろいのは単なる水槽展示ではなくて、「太平洋・環太平洋をめぐる旅」ができることにあります。
この「旅」によって、図1のように空間配置された各水槽が時系列にもむすびついて、環太平洋の地理、各水槽(各地域)の生き物と生態系が自然に記憶できてしまいます。一生の思い出にもなります。是非、図1を見ながらあるいは念頭において館内をあるいてみてください。なお記憶とは、情報を内面にインプットし記銘し保持することです。
こうして眼力をたかめつつ、太平洋・環太平洋の世界がまるごと心の中にはいってきます。太平洋のリアルな世界が心の中に定着し、心がゆたかになります。
情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
立体視をして遠近の両方をみる - 海遊館(3)「モンタレー湾」-
周辺視野をつかって全体的にとらえる - 海遊館(4)「パナマ湾」-
立体視をしながら知識もふやす - 海遊館(5)「エクアドル熱帯雨林」-
立体視をしながら眼球の筋肉をバランスよくつかう - 海遊館(6)「南極大陸」-
ひろい視野で立体視をする - 海遊館(7)「タスマン海」-
3次元空間で環境をとらえる - 海遊館(8)「グレート・バリア・リーフ」-
立体視をして意識の場を拡大・拡充する - 海遊館(10)「瀬戸内海」-
海の生物の多様性を知り世界をひろげる - 海遊館(11)「特設水槽」-
立体視をして3次元空間を再現する - 海遊館(12)チリの岩礁地帯 -
さまざまな角度から見る - 海遊館(13)「クック海峡」-
深層の世界を知る - 海遊館(14)「日本海溝」-
平行法と交差法を交互におこなう - 海遊館「太平洋」ジンベイザメ -
太平洋の多様性をみる - 海遊館「太平洋」-
じっくり観察して同定する - 海遊館「太平洋」-
見慣れぬ生き物たちに出会って感受性をみがく - 海遊館「太平洋」-
※ 番号は水槽番号です。
海遊館のテーマは「ガイヤ仮説」に基づいています。これは、ジェームズ=ラブロックが提唱した、「地球とそこに生きるすべての生き物は互いに作用しあうひとつの生命体である」という仮説です(注3)。
海遊館では、地球でもっとも広大な海「太平洋」をとりまく環太平洋を「環太平洋生命帯」(リング・オブ・ライフ)としてとらえ、そこから10の地域をピックアップして各地域の生態系を再現しています。環太平洋生命帯は、実際に、生き物の生息密度が非常にたかく、生命力がみなぎるゾーンとして注目されています。
また環太平洋は、環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイア)でもあり、地球上でもっとも活動的な変動帯になっていて、海中の地形も非常に変化に富んでいます。このような環境も、生物の多様性をうみだす要因になっています。
海遊館の「太平洋・環太平洋をめぐる旅」では、緑あふれる地上から、太陽の光がふりそそぐ海面・浅海、無数の魚たちがおよぎまわる海中、神秘的な深海の世界など、さまざまな自然の表情をたのしみながら、それぞれの環境に適応して生きている生物をみることができます。ここでは、魚類だけでなく、両生類や爬虫類、哺乳類や鳥類といった動物たちがたがいにかかわりあいながら独自の生態系をつくっていることがわかります。
このようなかけがえのない生命体を感じとり、そして彼らからのメッセージをうけとるために海遊館は役立ちます。世界的にみてもトップクラスの水族館です。是非いちど訪問してみてください(注4)。
『海遊館ガイドブック』(第3版)海遊館発行、2015年4月1日
▼ 注2
図1は太平洋・環太平洋の模式図、また海遊館の建物は太平洋・環太平洋のモデルになっています。模式図やモデルとは、細部は一切省略し、とくに重要なこと、本質(エッセンス)のみを表現した図なり構造物です。海遊館は、太平洋・環太平洋のモデルとして設計されたのであり、太平洋・環太平洋をとらえるときのスタンダードとしてつかえます。したがって海遊館は、記憶法のみならず発想法や情報処理全般のために利用することができます。大変よくできた構造物です。海遊館の設計者は、かなり高度な情報処理能力をもっているとかんがえられます。
▼ 注3
J. Lovelock著『地球生命圏 ―ガイアの科学』工作舎、1984年10月
※ 参考記事
環太平洋地域をイメージする - 国立民族学博物館の展示を利用して -
太平洋・環太平洋に関する水槽は以下のように全部で14個あります。番号は水槽番号です。
- 日本の森
- アリューシャン列島
- モンタレー湾
- パナマ湾
- エクアドル熱帯雨林
- 南極大陸
- タスマン海
- グレート・バリア・リーフ
- 太平洋
- 瀬戸内海
- 特設水槽
- チリの岩礁地帯
- クック海峡
- 日本海溝
これらを図にあらわすと下図のようになります。
図1 太平洋の地図と海遊館の水槽の模式図(基本図は海遊館のサイトから引用)
図1の中央の図形は、海遊館の水槽の形と配置、階をしめしています。海遊館は8階まであります。これをみればあきらかなように、太平洋・環太平洋の実際の地理と海遊館の各水槽の配置はうまく対応するように設計されています(注2)。
海遊館のなかにはいるとエスカレーターで8階までまずあがり、「日本の森」展示からはじまり、右回りにらせん状に階下におりながら各水槽をみていく仕組みになっています。中央の巨大な「太平洋」水槽はつねにみることができます。そしてしだいに深度をふかめ、「日本海溝」に最後は到達するというルートです。
こうして館内をあるいていけば太平洋・環太平洋を擬似的にめぐる旅ができます。海遊館がおもしろいのは単なる水槽展示ではなくて、「太平洋・環太平洋をめぐる旅」ができることにあります。
この「旅」によって、図1のように空間配置された各水槽が時系列にもむすびついて、環太平洋の地理、各水槽(各地域)の生き物と生態系が自然に記憶できてしまいます。一生の思い出にもなります。是非、図1を見ながらあるいは念頭において館内をあるいてみてください。なお記憶とは、情報を内面にインプットし記銘し保持することです。
こうして眼力をたかめつつ、太平洋・環太平洋の世界がまるごと心の中にはいってきます。太平洋のリアルな世界が心の中に定着し、心がゆたかになります。
情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
立体視をして遠近の両方をみる - 海遊館(3)「モンタレー湾」-
周辺視野をつかって全体的にとらえる - 海遊館(4)「パナマ湾」-
立体視をしながら知識もふやす - 海遊館(5)「エクアドル熱帯雨林」-
立体視をしながら眼球の筋肉をバランスよくつかう - 海遊館(6)「南極大陸」-
ひろい視野で立体視をする - 海遊館(7)「タスマン海」-
3次元空間で環境をとらえる - 海遊館(8)「グレート・バリア・リーフ」-
立体視をして意識の場を拡大・拡充する - 海遊館(10)「瀬戸内海」-
海の生物の多様性を知り世界をひろげる - 海遊館(11)「特設水槽」-
立体視をして3次元空間を再現する - 海遊館(12)チリの岩礁地帯 -
さまざまな角度から見る - 海遊館(13)「クック海峡」-
深層の世界を知る - 海遊館(14)「日本海溝」-
平行法と交差法を交互におこなう - 海遊館「太平洋」ジンベイザメ -
太平洋の多様性をみる - 海遊館「太平洋」-
じっくり観察して同定する - 海遊館「太平洋」-
見慣れぬ生き物たちに出会って感受性をみがく - 海遊館「太平洋」-
※ 番号は水槽番号です。
*
海遊館のテーマは「ガイヤ仮説」に基づいています。これは、ジェームズ=ラブロックが提唱した、「地球とそこに生きるすべての生き物は互いに作用しあうひとつの生命体である」という仮説です(注3)。
海遊館では、地球でもっとも広大な海「太平洋」をとりまく環太平洋を「環太平洋生命帯」(リング・オブ・ライフ)としてとらえ、そこから10の地域をピックアップして各地域の生態系を再現しています。環太平洋生命帯は、実際に、生き物の生息密度が非常にたかく、生命力がみなぎるゾーンとして注目されています。
また環太平洋は、環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイア)でもあり、地球上でもっとも活動的な変動帯になっていて、海中の地形も非常に変化に富んでいます。このような環境も、生物の多様性をうみだす要因になっています。
海遊館の「太平洋・環太平洋をめぐる旅」では、緑あふれる地上から、太陽の光がふりそそぐ海面・浅海、無数の魚たちがおよぎまわる海中、神秘的な深海の世界など、さまざまな自然の表情をたのしみながら、それぞれの環境に適応して生きている生物をみることができます。ここでは、魚類だけでなく、両生類や爬虫類、哺乳類や鳥類といった動物たちがたがいにかかわりあいながら独自の生態系をつくっていることがわかります。
このようなかけがえのない生命体を感じとり、そして彼らからのメッセージをうけとるために海遊館は役立ちます。世界的にみてもトップクラスの水族館です。是非いちど訪問してみてください(注4)。
巨大なジンベイザメを間近でみて感動している来館者
(平行法で立体視ができます)
『海遊館ガイドブック』(第3版)海遊館発行、2015年4月1日
▼ 注2
図1は太平洋・環太平洋の模式図、また海遊館の建物は太平洋・環太平洋のモデルになっています。模式図やモデルとは、細部は一切省略し、とくに重要なこと、本質(エッセンス)のみを表現した図なり構造物です。海遊館は、太平洋・環太平洋のモデルとして設計されたのであり、太平洋・環太平洋をとらえるときのスタンダードとしてつかえます。したがって海遊館は、記憶法のみならず発想法や情報処理全般のために利用することができます。大変よくできた構造物です。海遊館の設計者は、かなり高度な情報処理能力をもっているとかんがえられます。
▼ 注3
J. Lovelock著『地球生命圏 ―ガイアの科学』工作舎、1984年10月
▼注4
歴史的にみて今後、地球上でもっとも活発になる地域はヨーロッパや大西洋ではなくて、環太平洋になるとわたしは予想しています。したがって海遊館を徹底的に活用して、環太平洋と太平洋の世界をすっぽりと心の中にいれておくことは、このような点からみてもとても意義のあることだとおもっています。※ 参考記事
環太平洋地域をイメージする - 国立民族学博物館の展示を利用して -