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江戸菊花壇(交差法で立体視ができます)

「菊花壇」をみるときには、個々の花の形と、それらが植えてある花壇の構造の両方を立体的にとらえるようにします。

新宿御苑(注1)で「菊花壇」展が開催されています。新宿御苑の日本庭園をめぐりながら、さまざまな菊と花壇をたのしむことができます。

立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>



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江戸菊花壇(交差法で立体視ができます)
江戸菊は、江戸時代に江戸で発達した古典菊です。花が咲いてから、花びらがさまざまに変化し、色彩に富んでいるのが特徴で、花の変化を鑑賞できる菊です。新宿御苑の菊花壇のなかではもっともふるい歴史があります。



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伊勢菊(平行法で立体視ができます)



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丁子菊(平行法で立体視ができます)



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嵯峨菊(平行法で立体視ができます)

伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊花壇は、地方色あふれる三種の古典菊を配色よく植え込んだ花壇です。伊勢菊と嵯峨菊は「箒作り」、丁子菊は「一六作り」に仕立てられています。



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大作り花壇(交差法で立体視ができます)
数百輪の花が一株から咲くように仕立てる新宿御苑独自の花壇です。花全体が同時に咲き、かつ姿かたちがともにそろうなど、高度な技術が必要です。絢爛豪華なうつくしさは新宿御苑の菊花壇の白眉です。



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懸崖作り花壇(平行法で立体視ができます)
断崖の岩間から野菊がたれさがって咲いている姿を模しています。新宿御苑独自の青竹をもちいた上家と、鮮明な菊の花色との調和が優雅でかつ野趣のある風情をかもしだしています。



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一文字菊・管物菊花壇(交差法で立体視ができます)
大輪咲きの一文字菊(いちもんじぎく)と管物菊(くだものぎく)を新宿御苑独自の「手綱植え」の技法で仕立てています。一花一花の優美さはもちろんのこと、花の色彩の変化や調和する建物など、花壇全体の総合美が見事です。



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肥後菊花壇(平行法で立体視ができます)
九州で発達した肥後菊を秀島流の技法で仕立てています。青竹の上家、黒土を敷き苔をちらした土間などが清楚な古典菊と調和し、おちつきのある独特の風情をかもしだしています。



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大菊花壇(交差法で立体視ができます)
手まりのような形の大菊(おおぎく)を新宿御苑独自の「手綱植え」の技法をつかって仕立てています。




立体視をすると、個々の花の形と花壇の全体的構造の両方をとらえることができます。個々の花を見るだけでなく、花々がどのように配置されているか、ならべ方も見るようにします。つまり要素と構造を立体的に同時に見るようにします。要素は花であり、構造とは花壇です。

  • 要素:花
  • 構造:花壇

このようなトレーニングをしていると空間認知能力がたかまり、ひいてはインプット能力がたかまります。

「菊花壇」展を見ていると、個々の花のうつくしさはいうまでもないですが、一方で、花壇全体の総合美、全体的なうつくしさが見事です。総合美は花と人間の合作、自然と人工との融合といってもよいでしょう。

「菊花壇」展は、ウェブサイトでは11月15日までとなっていますが、11月20日ごろまで開催しているようです。お出かけの際には新宿御苑にご確認ください。



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新宿御苑も紅葉が見ごろになってきました(平行法で立体視ができます)


▼ 注1
新宿御苑

▼ 注2
最新情報:菊花壇展
新宿御苑の菊花壇展

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