161116 イメージ訓練
図1 イメージ訓練(心象法)の位置づけ

イメージ訓練(心象法)はプロセシングの基本的な方法です。イメージ能力を高めるとプロセシング能力が高まります。

東京富士美術館で、特別展「漢字三千年 - 漢字の歴史と美 -」が開催されています(注1)。本展は、漢字をみてイメージ訓練(心象法)をすすめるいい機会になっています。

たとえばつぎの漢字と説明文をよんで、どのようなイメージがうかぶでしょうか?


冊 
竹や木の札に文字を書き、それを順にならべてヒモでとじた形。紙が登場する前はこれが書物の基本的な形で、ひとまとまりの竹の札を「篇」といった。

 
軍旗のもとに多くの兵士が並んで進軍するかたち。本来は兵士の集団をいい、そこから「多くの人が移動する」ことをいう。


敵の巫女から呪いをかけられた王が、ベッドに横たわってうなされている形。元々は「悪夢」をいい、のちに「脳裏に描かれる架空の像」を意味する。


家の中で女性が平穏に暮らしている様から、「やすらか」「おだやか」の意味を表す。


前に進みながら、過ぎさったことを惜しみつつ振り返る気持ち。「いつくしむ」ことから、「大切に思う」意味を表す。


子供に授乳する女性を表す。「女」を表す漢字に乳房を強調した形。

 
手と手を重ねあわせる様から、心を通いあわせる同士や友人をいう。


イメージ訓練(心象法)は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)のなかのプロセシングをすすめる基本的な方法として重要です(図1)。イメージ能力が高まるとプロセシング能力も高まり、アウトプットもすすみます。




特別展の会場では以下のような展示解説がありました(注2)。

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▼ 注1
特別展「漢字三千年 - 漢字の歴史と美 -」
会場:東京富士美術館
会期:2016年10月20日~12月4日
※ 会場内は撮影が許可されていました。
※ 東京展終了後、京都、新潟、宮城、群馬に巡回します。

▼ 注2
漢字の成り立ちには諸説があります。

▼ 参考文献
『漢字三千年 -漢字の歴史と美-』(図録)、黄山美術社発行、2016年

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