161107 ポテンシャル
図1 ポテンシャルを高めて一気に書きだす
 
文章を書きだすときには、心のなかに情報をインプットし、情報を蓄積して情報の「圧」をたかめてから、一気にアウトプットするとよいです。

いそがしい日々がつづくなかで、効果的・効率的にいかに文章を書いていけばよいか、多くの人々の課題になっています。

そこでひとつのアナロジーをだしてみましょう。たとえばダム湖を想定します。

ダム湖に、上流の川から水がながれこんでくるのは、ダム湖への水の「インプット」です。

ダム湖の水位がしだいに高まっていくとともにポテンシャルも高まります。ポテンシャルとは、位置エネルギーとか潜在能力のことです。ポテンシャルが高まっていく過程は「プロセシング」とみなすことができます。

そしてダム湖の水位があるていど高くなれば(圧が高まれば)一気に放水することができます。放水は「アウトプット」です。そのエネルギーはたとえば発電のためにつかえます。

  1. インプット :水がながれこんでくる
  2. プロセシング:水位が高まる(圧が高まる)
  3. アウトプット:放水



情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)もこれと似ています。情報処理では、外界(環境)から内面に情報がながれこんでくるのが「インプット」、心のなかに情報が蓄積され増えていく過程が「プロセシング」、文章などを書きだすのが「アウトプット」です(図1)。

プロセシングでは、情報がふえるにつれて、情報のもつポテンシャルが高まるとかんがえることができます。情報を蓄積し、ポテンシャルを高めるために記憶法をつかってもよいです(注1)。

したがってポテンシャルを高めるためには、課題をきめて大量インプットをするのがよいです。とにかく、見たり聞いたり読んだりしてたくさんインプットして情報の「圧」を高めることです(注2)。そして寝ることです。睡眠によってもプロセシングがすすみます。

ここで、ポテンシャルを高めるのは情報の量であって情報の質ではないことに注意してください。ダム湖のポテンシャルをきめるのは水量であって水質ではないことと似ています。

こうしてあるタイトル(題)のもとでこれでいけるとおもったら一気に書き出してしまうのです。

このような情報処理の観点からは、書きながらじっくりかんがえるというやり方は推奨できません。インプット・プロセシングにひきつづいて、ひとまとまりの書きだしを情報の圧力をつかって一気におこなった方がよいのです。アウトプットを一旦おこなってしまって、そのあとで、確認・修正・リライトするのは自由です。

 
▼ 注1
高度情報化社会における記憶法は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)のなかのプロセシングに位置づけて実践することが大事です。何でもかんでも漠然と丸暗記していけばいいというわけではありません。

▼ 注2
情報処理とポテンシャルの観点からは第一に記憶量が重要であり、ある分野の記憶量がとくに多いということは、その分野のポテンシャルが高いということで、その分野のアウトプットをだす圧力がつよいということです。したがってその人の人生はその分野の方向におのずとすすんでいきます。つまり、もっともすきな分野の記憶量を増やせばその方向にすすんでいけるということです。