161030 消化
 図1 食べ物の〈インプット→プロセシング→アウトプット〉
 
食べ物が口からはいり、消化され、肛門から便が排出されます。これは〈インプット→プロセシング→アウトプット〉の過程です。よいアウトプットを日々つづけていれば心身をすっきりさせることができます。

グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2016年9〜12月号にシリーズ「消化の旅」の連載がありました。口から肛門までつながった消化管や、肝臓・膵臓などもあわせた「消化器系」をめぐる消化の旅にでかけようという企画でした。

食べることは食べ物を体内にインプットすることです。これにひきつづく消化はプロセシングです。そして最後には、肛門から便がアウトプットされます(図1)。

食べ物は、口からはいり食道をへて胃にまずはいります。胃には、肉や魚は分解するのに胃は分解しないというおどろくべき仕組みがあります。胃の先には十二指腸があり、そこでは三大栄養素の分解が本格化します。その後ながい小腸をへて大腸にはいり、腸内細菌によって最後の消化がすすんで便がつくられます。そして肛門から便が排出されます。 




これは基本的には食べ物(物質)の処理過程ですが、実際には、味覚や内臓感覚をとおして情報もとりいれられ、その情報処理もおこなわれます。味覚や内臓感覚も消化のために大きな役割をはたします。あるいは苦味や腹痛や内臓の不快感などは危険物質や身体の不調をあらわす大切な情報(サイン)になります。

インプットとプロセシングがうまくいくとよい便がアウトプットされます。便をみれば、インプットとプロセシング、とくにプロセシングの様子がわかります。プロセシングは直接みることはできないので、アウトプットから想像するということになります。プロセシングは、アウトプットによって知られるということです(注1)。

「排便をしてすっきりした」という経験は誰にでもあるものです。とても重要な内臓感覚です。あるいは内臓感覚というよりも体全体の感覚とでもいえるような気持ちのよい体験です。とても重要なことです。

便にしろ情報にしろ、アウトプットを日々つづけていくことによって心身をすっきりさせることができます。流れが大事です。逆に、アウトプットがうまくできないと物事はつまってきてストレスがたまります。物事は何事もためこまないで環境(外部)に出してしまったほうがよいです。情報もアウトプットしてしまえばとても心がすっきりします。


▼ 記事リンク
食べることはインプットすること - 消化の旅(1)『食べる』の驚異のしくみ」(Newton 9月号)-
胃のなかで食べ物を消化する - 消化の旅(2)「胃酸の泉へ」(Newton 10月号)-
三大栄養素を分解する - 消化の旅(3)「膵液の秘密」(Newton 2016.11号)-
栄養を吸収し、便をアウトプットする - 消化の旅(4)「栄養を吸収する腸」(Newton 2016.12号)-

▼ 注1
情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点からみると、検便ならぬ「検アウトプット」をすることが大事です。