タカアシガニ(平行法で立体視ができます)
海遊館の「日本海溝」展示は、海の深層世界を知るよいきっかけになります。
海遊館(注1)の「日本海溝」水槽では、日本海溝の斜面部水深200~400mのところに生息している世界最大のカニ、タカアシガニを中心に、深海の生き物を展示しています。深海にもたくさんの生き物が生息しているのがわかります。
写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
日本海溝は深海の世界です。200mよりも水深がふかいところを一般に深海とよびます。水深200mでは、青い光がわずかにとどく程度で、水深1000mではほとんど光はとどかず暗黒の世界になります。深海では、光合成をする植物プランクトンなどが増殖できないため、深海の生物たちは、しずんでくる生物の死骸やフンなどを食べたり、あるいは水面ちかくまで一時的に浮上して栄養分をおぎなっています。特殊な生物としては硫化水素と酸素で増殖するバクテリアを食べるものもいます。
深海に対して、たとえばグレート・バリア・リーフのようなサンゴ礁が生息する世界は浅海の世界です。その下部には中層の海の世界があります。そして深層の世界です。
このように海の世界は多層多重構造になっています。わたしたち一般の人間は、実際の海にもぐっていくことはできないので、海遊館のようなすぐれた水族館を上から下へ「もぐる」ことによって多層多重の構造を認識していくことになります。多層多重構造を知ることは世界の認識をふかめるためにとても役立ちます。
深層はまだまだ未知の世界ですが調査が近年すすんできています。海遊館の「日本海溝」をきっかけにして深層の世界をさらに理解していきたいものです。深層意識も刺激されるかもしれません。
「日本の森」からはじまった海遊館の「環太平洋をめぐる旅」は、時計まわりのらせん状に「環太平洋」を約4回まわり、水面から浅海・中層・深海へともぐり、「日本海溝」まで到達しました。ここが「旅」の終着点です。
しかし海遊館の「旅」は実際にはこれでおわりではなく、水族館の中央には巨大な「太平洋」水槽があります。次回はこの水槽をみたいとおもいます。
▼ 参考文献
『海遊館ガイドブック』(第3版)海遊館発行、2015年4月1日
情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
立体視をして遠近の両方をみる - 海遊館(3)「モンタレー湾」-
周辺視野をつかって全体的にとらえる - 海遊館(4)「パナマ湾」-
立体視をしながら知識もふやす - 海遊館(5)「エクアドル熱帯雨林」-
立体視をしながら眼球の筋肉をバランスよくつかう - 海遊館(6)「南極大陸」-
ひろい視野で立体視をする - 海遊館(7)「タスマン海」-
3次元空間で環境をとらえる - 海遊館(8)「グレート・バリア・リーフ」-
立体視をして意識の場を拡大・拡充する - 海遊館(10)「瀬戸内海」-
海の生物の多様性を知り世界をひろげる - 海遊館(11)「特設水槽」-
立体視をして3次元空間を再現する - 海遊館(12)チリの岩礁地帯 -
さまざまな角度から見る - 海遊館(13)「クック海峡」-
※ 番号は水槽番号です。
太平洋の世界を心の中につくる - 海遊館(まとめ1)-
1.概観→2.観察→3.まとめ - 海遊館(まとめ2)-
写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
タカアシガニ
タカアシガニは、日本の太平洋岸のほか台湾沖でも確認されています。200〜800mの深海に通常は生息していますが、春になると水深30mぐらいのあさい場所に移動して産卵します。オスは、はさみ脚がとくに大きく長くなり、ひろげると3m以上にもなる世界最大のカニです。カニの系統では非常にふるい部類にはいります。タカアシガニ
ツボダイ
ツボダイは、口の先がとがっていて小さく、眼が大きいことが特徴です。日本列島の太平洋沿岸、九州〜パラオ海嶺北部、台湾沖などに生息します。*
日本海溝は深海の世界です。200mよりも水深がふかいところを一般に深海とよびます。水深200mでは、青い光がわずかにとどく程度で、水深1000mではほとんど光はとどかず暗黒の世界になります。深海では、光合成をする植物プランクトンなどが増殖できないため、深海の生物たちは、しずんでくる生物の死骸やフンなどを食べたり、あるいは水面ちかくまで一時的に浮上して栄養分をおぎなっています。特殊な生物としては硫化水素と酸素で増殖するバクテリアを食べるものもいます。
深海に対して、たとえばグレート・バリア・リーフのようなサンゴ礁が生息する世界は浅海の世界です。その下部には中層の海の世界があります。そして深層の世界です。
このように海の世界は多層多重構造になっています。わたしたち一般の人間は、実際の海にもぐっていくことはできないので、海遊館のようなすぐれた水族館を上から下へ「もぐる」ことによって多層多重の構造を認識していくことになります。多層多重構造を知ることは世界の認識をふかめるためにとても役立ちます。
深層はまだまだ未知の世界ですが調査が近年すすんできています。海遊館の「日本海溝」をきっかけにして深層の世界をさらに理解していきたいものです。深層意識も刺激されるかもしれません。
*
「日本の森」からはじまった海遊館の「環太平洋をめぐる旅」は、時計まわりのらせん状に「環太平洋」を約4回まわり、水面から浅海・中層・深海へともぐり、「日本海溝」まで到達しました。ここが「旅」の終着点です。
しかし海遊館の「旅」は実際にはこれでおわりではなく、水族館の中央には巨大な「太平洋」水槽があります。次回はこの水槽をみたいとおもいます。
▼ 参考文献
『海遊館ガイドブック』(第3版)海遊館発行、2015年4月1日
情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
立体視をして遠近の両方をみる - 海遊館(3)「モンタレー湾」-
周辺視野をつかって全体的にとらえる - 海遊館(4)「パナマ湾」-
立体視をしながら知識もふやす - 海遊館(5)「エクアドル熱帯雨林」-
立体視をしながら眼球の筋肉をバランスよくつかう - 海遊館(6)「南極大陸」-
ひろい視野で立体視をする - 海遊館(7)「タスマン海」-
3次元空間で環境をとらえる - 海遊館(8)「グレート・バリア・リーフ」-
立体視をして意識の場を拡大・拡充する - 海遊館(10)「瀬戸内海」-
海の生物の多様性を知り世界をひろげる - 海遊館(11)「特設水槽」-
立体視をして3次元空間を再現する - 海遊館(12)チリの岩礁地帯 -
さまざまな角度から見る - 海遊館(13)「クック海峡」-
※ 番号は水槽番号です。
太平洋の世界を心の中につくる - 海遊館(まとめ1)-
1.概観→2.観察→3.まとめ - 海遊館(まとめ2)-