DSCF2745ab
「瀬戸内海」水槽(平行法で立体視ができます)

立体視をしながら、意識の場(情報処理の場)を拡大・拡充していくことが大切です。水族館にいけば、水槽と魚たちを観察しながら実際の海の中を想像することができます。

写真はいずれも平行法で立体視ができます。大阪市にある海遊館(注1)の「瀬戸内海」展示で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>

わたしたち一般の人間は瀬戸内海に実際にもぐって海中の様子を観察することはできません。そこで海遊館のような水族館にいって水槽と生き物たちをよく観察し、そして実際の海の中は想像することになります。

たとえばここでは瀬戸内海に意識をくばり、想像を大きくふくらませることが大切です。水槽と生き物を観察しながら想像するので妄想にはなりません。こうして意識の場(情報処理の場)を拡大・拡充していくことができます。簡単にいえば自分の世界が海にまでひろがるということです。



DSCF2301ab
カワハギ、クロダイ、イシダイ、キジハタ、シロメバル、マダイなど



DSCF2756ab
マダコ(たこつぼのなか)
タコといえば日本では一般にマダコをさします。骨がなく、せまい隙間をとおりぬけることができます。全長は約60cm、腕は8本あり、それぞれに160〜180個の吸盤がついています。エビやカニが大好物です。危険を感じると墨をはいて敵の視覚や嗅覚をくらませます。腕を自切することもでき、欠けた腕はしばらくすると元通りに再生します。無脊椎動物のなかではとくに知能の高い種だとかんがえられています。

物陰にひそむ性質を利用してタコ壺漁がおこなわれます。大阪湾沿岸の弥生時代の遺跡からタコ壺用とおもわれる土器が大量に発掘されており、ふるくからタコは食用にされていたとかんがえられます。



DSCF2759ab
ホウボウ
海底をはいまわるようにしてあるきます。敵におそわれると、大きくてあざやかな青色をした胸ビレをひろげて威嚇します。甲殻類や小魚などを食べます。浮き袋をつかって鳴く魚としても知られています。



DSCF2308ab
ウツボ
沿岸部の岩礁地帯に生息し、大きくするどい歯をもち、性格はどう猛です。胸びれと腹びれ、鱗はもちません。




瀬戸内海には、数多くの島々が点在し、岩礁や砂浜、干潟など、多様な環境をもちさまざまな生き物が生息しています。瀬戸内海は国立公園に指定されていて環境の保護管理がおこなわれています。自然と人間のいとなみが調和したシンボル的な海域になっています。

ふるくから漁業がさかえ、養殖漁業の発祥の地としても世界的に知られています。




「日本の森」からはじまった海遊館の「環太平洋をめぐる旅」は、「アリューシャン列島」→「モンタレー湾」→「パナマ湾」→「エクアドル熱帯雨林」→「南極大陸」→「タスマン海」→「グレート・バリア・リーフ」→「瀬戸内海」と環太平洋を時計まわりに1周して日本にもどってきました。しかし旅はまだつづきます。


▼ 参考文献
『海遊館ガイドブック』(第3版)海遊館発行、2015年4月1日

情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
立体視をして遠近の両方をみる - 海遊館(3)「モンタレー湾」-
周辺視野をつかって全体的にとらえる - 海遊館(4)「パナマ湾」-
立体視をしながら知識もふやす - 海遊館(5)「エクアドル熱帯雨林」-
立体視をしながら眼球の筋肉をバランスよくつかう - 海遊館(6)「南極大陸」-
ひろい視野で立体視をする - 海遊館(7)「タスマン海」-
3次元空間で環境をとらえる - 海遊館(8)「グレート・バリア・リーフ」-
※ 番号は水槽番号です。

太平洋の世界を心の中につくる - 海遊館(まとめ1)-
1.概観→2.観察→3.まとめ - 海遊館(まとめ2)-