161008 モデル
図2 生命のモデル

生命をモデル化すると上図のようになります。情報はモデルに入り、モデルから出ます。

ある事柄について情報処理をすすめようとおもったら、まず、関心のある領域について全体的・大局的にながめることが必要でしょう。これは大局観といえます。

しかし大局的に見ているだけだと理解がふかまらないので、つぎに、特定の課題あるいは対象についてくわしくこまかくしらべていくことになります。局所や細部を見るのでこの段階は小局観といってもよいです。

これらをふまえてえられた情報のとりまとめをおこなうことになります。とりまとめにおいて簡単ですがきわめて重要なやり方として、物事の本質を単純な図式に圧縮してまとめるという方法があります。このような図式はモデルといってもよいです。モデルとは、細部はすべてきりすてて、物事の本質(エッセンス)のみをとりだして表現した図です。

こうして、〈大局観→小局観→モデル〉という問題解決の3段階のすすめ方が提案できます(図2)。それぞれの段階の内部で情報処理をくりかえします。

161008 大局観
図1 問題解決の3段階


たとえばわたしは、生物学や生命科学・地球科学の解説書をよんで図2のようなモデルをとりあげました。解説書には、複雑なことがいろいろたくさん書かれていますが、要するに、生命をモデル化するとこのような図式になります。

図2において、主体とは個人であっても集団であってもよいです。あるい人間社会全体でもかまいません。主体の周囲には環境がひろがっています。主体は、環境から、情報・物質・エネルギーをとりれ(インプット)、これらを処理し(プロセシング)、その結果を環境に放出(アウトプット)しながら生きています。

モデルをえがくとメッセージもつたわりやすくなります。わかりにくく複雑で不明瞭なことをながながと説明していても理解されないのでモデルをえがくとよいです。




そして、このようなモデルをえがけば情報処理と問題解決がおわるということではありません。モデルが、あらたな情報処理と問題解決のはじまりになります。つぎのサイクルがはじまります。モデルは、あたらしいアイデアの元になります。

複雑で多量の情報をモデルにしてあらわすと、モデルを出発点にしてあらたな一歩をふみだすことができるのです。情報はモデルに入り、デルから出るといってもよいでしょう。

すくなくとも関心のある分野については、モデルをえがくという作業をやってみるとよいでしょう。既存の解説書などを見てよさそうなモデルがあれば採用してもよいですし、独自のモデルを自分でえがいてもよいです。