161001 アイコン
図1 ファイルの構造

よくできたアイコンをつかって情報を想起したり操作する練習をすれば、アウトプットが容易にできるようになります。

大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)でつかわれているイラスト(イメージ)はとてもわかりやすいです。



たとえば「any」のイラスト(イメージ)はつぎのとおりです(181ページ)。

IMG_5995


これについてはつぎのような解説・例文がついています。


any(どんな〜でも)は、「何でもいいよ」「どれを考えてもいいよ」と相手に選択肢を開く表現。つまり「選択の自由」を与える表現です。可算名詞にも不可算名詞にも使うことができます。

1.何でも・誰でも・どれでも
Any parent would want the best for their child.
ⓑ ・・・
 


イラストはアイコンとみなすことができます。アイコンとは、ファイル(情報)の特徴を小さな絵(イメージ)にして表示したものです。コンピューターでは、アイコンを操作することで、ファイルをひらいたりプログラムを実行したりすることができます。 

アイコンはファイルの表面構造(あるいは表層構造)であり、その下部に情報の本体が格納されています。ファイルとは情報のひとまとまりのことであり、その構造は図1のようにモデル化できます。ファイルの構造と仕組み・つかい方については、現代の情報化社会では誰でも理解できるともいます。

コンピューターがつかえるようになるのと似ていて英語でも、上のアイコンをみながら、any の例文や解説をおもいだして、any が 操作できるように(つかえるように)なればよいわけです。

たとえばアイコンをみて、これは「any」のアイコンだとおもいだし、「any」が解説されていたページを「絵」として想起したり、どのような例文があったか、どんなことが説明されていたか概要をおもいおこしたりします(注1)。




たとえば本書中の気に入ったアイコンや不得意な分野のアイコンをデジタルカメラで撮影して集積しておき、アイコンを見ながらこのような想起訓練をやってみます。うまくおもいだせない場合はもう一度そのページを見直します。

本書のアイコンは非常によくできているのでやってみる価値があるとおもいます。ポイントはアイコンを見ながら想起するということです。




本書は、よくできたアイコン集だといってもいいです。本書は紙でできた本ですが、アプリをつくってもおもしろいとおもいます。たとえばすべてのアイコンが一覧でき、アイコンをタップすると中身(情報の本体)が表示されるようなアプリをつくればよいでしょう。

本書は、現代の情報化社会の観点からみても非常に役立つ参考書です。


▼ 注1
アイコンは、情報の本体を集約し圧縮したシンボルですが、一方で、それを見れば情報の本体が検索できるという、つまりインデックスの役割ももちます。

▼ 文献
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)ナガセ、2011年9月30日 第2版発行

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