英語をつかって情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をすすめ、またアイコンをつかって英語ファイルを活用すれば、英語が自由につかえるようになります。

大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)は日本人のためにつくられたあたらしい英文法体系書です。はなせる英語に最速で到達することをめざしています。

英会話の学習などで心のなかに情報をとりこむときには、見る・読む・聞くなど、複数のインプット・ルートをもつと学習効果があがります。本書とあわせて音声教材も利用するとよいでしょう。

そしてイメージをつかうと英語が理解しやすく記憶しやすくなります。英語を、日本語におきかえて日本語訳で理解するのではなく、イメージをつかって理解し記憶するようにします。ネイティブのもつイメージをつかむことが大事です。日本人にとってはむずかしい限定詞もイメージをつかえば容易に理解でき、つかいこなせるようになります。本書の見開き2ページを1枚の絵として記憶し、その構造のなかで、個々のイラストをとらえて記憶するとよいでしょう。

こうしてイメージでプロセシングをすすめ、そして言葉(英語)でアウトプットするようにします。(図1)

161002 情報処理
図1 情報処理をすすめる


さらにすすんだ勉強法として、本書中のイラストをアイコンと見なして、アイコンをつかって情報を想起したり操作する練習をすれば英語ファイルが活用でき、アウトプットが容易にできるようになります。ファイルとは情報のひとまとまりのことです。(図2)

161001 アイコン
図2 ファイルの仕組み(構造)




本書のあとがきで著者の大西先生がつぎのようにのべています。


「話すための英文法」を実現するために、私が本書で一貫して行ってきたこと。それは「心を与える」ということでした。ことばは常に心を反映します。(中略)

すべての表現と形に心を与える。(中略)

心を離れた形式はないのだということ。心の動かし方を学べばことばは自由になるということ。読んでいただいたすべての方が英語を想うとき、そこに「自由」という文字が浮かんでいればいいなと願っています。その「自由」がみなさんの英語を伸ばすのですから。


情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点から「話すための英文法」をとらえなおすと、「話す」とは言葉をアウトプットすることです。つまりアウトプットのための英文法ということです。

そして「ことばは常に心を反映します」とは、アウトプットされるあなたの言葉は、あなたの心のなかでおこったプロセシング(情報処理)を反映しているということです。あなたの表現と形つまりアウトプットは、あなた自身のプロセシングが生みだしたものです。プロセシングをすすめることは「心を動かす」ことだといいかえてもよいでしょう。

こうして情報処理のすすめ方をまなび身につければ、これまでの受験英語や固定観念からときはなたれて自由に英語がアウトプットできるようになるとおもいます。


▼ 文献
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)ナガセ、2011年9月30日 第2版発行
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法 CD ブック』(東進ブックス)ナガセ、2012年6月26日

▼ 記事リンク
イメージで理解し記憶し、言葉でアウトプットする - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(1)-
複数のインプット・ルートをもつ - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(2)-
ネイティブのもつイメージをつかむ - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(3)-
見開き2ページを1枚の絵として記憶する - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(4)-
限定詞を理解し、つかいこなす - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(5)-
アイコンをつかって情報をひっぱりだす - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(6)-

目をとじてイメージする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(1)-
アイコンをつかって英単語を活用する - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『単語イメージハンドブック』(2)- 
心のなかに情報をファイルする - 大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(3)-