図1 プロセシングはイメージで、アウトプットは言葉で
イメージをつかうと英語が理解しやすく記憶しやすいです。イメージでプロセシングをすすめ、言葉でアウトプットするようにします。
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)は日本人のためにつくられたあたらしい英文法体系書です。はなせる英語に最速で到達することをめざしています。
1週間から10日程度で本書をすべて読んで(見て)しまい、英語の輪郭・概要をまずつかんでしまうのがよいでしょう。
本書の特徴
- 「話せる英語」を最速で達成する文法書
- 英語のシステムを最も「カンタン」に解説
- ネイティブスピーカーの「意識」を詳しく解説
- 高校生から社会人まで全ての人が読者対象
本書には、イラスト(イメージ/絵)が多用されていて、英語がとても理解しやすく記憶しやすいです。たとえば「other(ほか)の使い方)」(p.175)では、イラストをつかって、"the other, another, the others, others" のつかいわけを説明してます。
other(ほか)の使い方(178ページ)
大変わかりやすいです。イラスト(イメージ)で理解し、イメージを記憶するのがポイントです。外国語学習は理屈ではありません。イラストを見て本文を読んで理解できたら、今度は目を閉じて、これらのイラストがおもいおこせるかどうかためしてください。人の位置はどこだったでしょうか? それぞれのイラストに携帯電話は何個あったでしょうか? 背景のカラーは? イメージがよくおもいだせない場合は、再度、イメージをよく見て(インプットし)、目を閉じて想起できるようになるまで練習します。
このようなイメージ訓練をしていると、さらに一歩すすんで、携帯ショップに行ってこのようなやりとりをしている自分を想像してみることもできます。たとえばアメリカのショップにはいっていって、店員さんと英語でやりとりする自分の姿を想像してみます(注1)。
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理解や記憶はイメージをつかって、表現は言葉をつかってというのが外国語学習の基本です。つまりプロセシングはイメージで、アウトプットは言葉で、ということです(図1)。本書をつかえばこれができます。そしてはなせる英語に最速で到達できます。
著者の大西先生は、「英語は話すことができて、初めて役立つのです」とのべています。つまり英語をつかってアウトプットすることができてはじめて意味があるということです。これからのあたらしい情報化社会では、受験や筆記試験が目標ではなく、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)ができるようになることがもとめられます。みずから情報処理をすすめ、主体的にアウトプットができるようになるという大きな展望をもって英語の学習にもとりくむとよいでしょう。
▼ 文献
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)ナガセ、2011年9月30日 第2版発行
▼ 注1
本書のイメージを見ていると、「こんなふうにイメージすればいいんだ」というように、イメージのえがきかたの参考になる事例がたくさん見つかります。イメージをどのようにえがいたらよいか。英語学習をこえて、イメージ訓練(心象法)のためにも本書は役立ちます。また読み物としてもおもしろいです。
わたしが大西先生を知ったのは、約10年前に放送された NHK 教育テレビ「ハートで感じる英文法」でした。イメージをつかった解説がとてもわかりやすかったです。それ以来注目しています。近年は、「ジョブキソ」(しごとの基礎英語)に出演し指導されています。いつも視聴しています。
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