160922 感覚と脳
 図1 感覚は脳で知覚される

眼・耳・鼻・舌・皮膚などは人体にそなわるセンサーです。このようなセンサーでうけとった情報はニューロン(神経細胞)を介して脳につたわり処理されて知覚されます。

わたしたちヒト(人間)は、見る(視覚)・聞く(聴覚)・かぐ(臭覚)・味わう(味覚)・ふれる(皮膚感覚)といった感覚によって周囲の環境を認知しています。

『感覚 - 驚異のしくみ』(ニュートン別冊)はこのような感覚のしくみについてわかりやすく解説しています。


眼・耳・鼻・舌・皮膚などは人体にそなわるセンサーである。このようなセンサーから情報がはいり、ニューロン(神経細胞)を介して情報が脳につたわり、はじめて知覚される。


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つまり感覚器官からの情報が脳で処理されて知覚されているのです(図1)。

感覚器官(センサー)からうけとった情報(刺激)は、まず、感覚器官のなかにある特殊なニューロンによって電気信号にかえられます。そしてこの電気信号はニューロン間をつたわり、大脳皮質へとつたわります。大脳皮質は、感覚情報の知覚だけでなく、言語や行動の計画といった高度な情報処理もおこなっている領域です(注1)。

大脳皮質のなかでは、伝達された情報がいくつかの成分にわけられ、それぞれをあつかう領域へとつたえられます。たとえば視覚では、知覚される対象(もの)が形・色・働きなどの情報にわけられて処理されます。このような情報処理は「並列処理」とよばれます。

そのご脳は、それらの情報をまとめあげることで対象が何であるかがわかるようになります。

このようにわたしたちは感覚で認知することによって環境を認識しています。したがったこのような感覚で認知された環境は「感覚世界」といってもよいでしょう。

感覚のしくみについて理解することは、ひとりひとりが情報処理能力をたかめるためのヒントをえるために、またわたしたちがどのようにして世界を認識しているかを知るために重要なことです。




脳のなかでプロセシング(情報処理)がおこってることをしめす証拠としてつぎの例もあります。


カナダの脳外科医ワイダー=ペンフィールド(1891〜1976)は「てんかん」患者の脳手術をしたときに、いくつかの脳の部位にほそい電極をあててよわい電流をながしました。当時の脳手術は、頭の表面だけに麻酔をしておこなわれていたため、患者は、意識がある状態でペンフィールドと話をすることができました。

そしてペンフィールドは、患者の脳のいくつかの場所に電流がながれると、患者は、実際にはそこにないものを見たり聞いたりすることを発見しました。


脳で、プロセシングがおこっていることはあきらかです。




わたしたちは寝ているときに夢をみます。これは、眼という感覚がとまっていても映像をみることができるということです。インプットがとまっている状態でもプロセシングはすすみます。

ただし寝ていて眼はとじていても、音をきいたり暑さ寒さは感じることができます。するとその音や暑さに応じて夢(イメージ/動画)が自然に生じることがあります。こんど夢をみたら、そのようなことがなかったかどうか確認してみてください。


▼ 文献
『感覚 - 驚異のしくみ』(ニュートン別冊)ニュートンプレス、2016年3月25日

▼ 注1
脳の機能をになっているのはニューロン(神経細胞)です。ヒトの脳の中には1000億のニューロンがあるといわれています。

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