岡山シティミュージアム(平行法で立体視ができます)
生命は、進化の過程でいちじるしく眼を発達させました。眼をつかいこなすと大量の情報を一気にうけとる(インプット)することができます。
岡山シティミュージアム(注1)で開催されている特別展「生命大躍進」は、生命の眼の進化について知ることができる貴重な機会になっています。
ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。岡山シティミュージアムで撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
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生命は、カンブリア紀(約5億4100万年前)になってから眼を獲得しました。
ピカイア(カンブリア紀中期/約5億800万年前)
ピカイアはウナギに似たすらりとした動物でした。眼は、明暗がわかる程度の原始的なものでした。
ピカイアの復元想像図
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メタスプリッギナ(カンブリア紀中期/約5億800万年前)
メタスプリッギナは魚に似た動物であり、「カメラ眼」をもつ最古の脊椎動物です。
メタスプリッギナの復元想像図
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ウミサソリ(アクチラムス)(シルル紀後期)
ウミサソリはサソリやカブトガニの仲間で、史上最大の節足動物でした。大きな複眼をもっていました。
ウミサソリの復元模型
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アカントーデス(ペルム紀前期)
アカントーデスは色彩を見ることができた魚類です。この化石には、色を識別する細胞と光を調整するユーメラニンが眼の中に保存されていました。このことから昼間活動し、カラーで外界を認知していたと推定されています。
アカントーデスの復元想像図
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イグナシウスの頭骨(始新世前期)
イグナシウスは霊長類に似たグループであるプレシアダピス類(偽霊長類)に属します。これは霊長類にふくまれるのか、あるいは霊長類の祖先にあたるのか、研究者によってさまざまな意見があります。体重は100g前後の小さな生きものだったようです。
白亜紀になると霊長類が登場します。霊長類は、左右の眼が前方をむいているため、後方は見えませんが、左右の眼の視野がかさなり、両者の視差により立体視ができます。つまり外界(環境)を3次元空間として認知できるのです。この3次元の視覚は今日の人間にまでうけつがれ、外界を認知するもっとも重要な機能としてつかわれています。
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以上のような化石などの証拠から生命の進化とともに眼が進化してきたことがよくわかります。
カンブリア紀に眼をもつ生物があらわれたことは生命の進化にとって画期的なことでした。しかし初期の眼は、原始的で明暗がわかる程度の機能しかありませんでした。
そのご複眼をもつものが出現しました。 複眼は、昆虫などの節足動物がもっている眼で、個眼が半球状にあつまってできており、視野がひろく、物のうごきを敏感とらえることができますが、見える像はかなりぼやけているとかんがえられています。
そして脊椎動物の進化とともに「カメラ眼」があらわれました。脊椎動物の眼には水晶体(レンズ)があり、効率よく光をあつめたりピントをあわせたりすることができます。その構造がカメラに似ているので「カメラ眼」とよばれます。
さらに霊長類では、カメラ眼が前方をむくように配置されて立体視ができるようになりました。わたしたち人間は、鮮明な3次元像として環境を認知することができます。
そのご複眼をもつものが出現しました。 複眼は、昆虫などの節足動物がもっている眼で、個眼が半球状にあつまってできており、視野がひろく、物のうごきを敏感とらえることができますが、見える像はかなりぼやけているとかんがえられています。
そして脊椎動物の進化とともに「カメラ眼」があらわれました。脊椎動物の眼には水晶体(レンズ)があり、効率よく光をあつめたりピントをあわせたりすることができます。その構造がカメラに似ているので「カメラ眼」とよばれます。
さらに霊長類では、カメラ眼が前方をむくように配置されて立体視ができるようになりました。わたしたち人間は、鮮明な3次元像として環境を認知することができます。
このような眼は、感覚器官のなかでもっともよく進化し、もっともよくつかわれているといってもよいでしょう。人間は、情報の大部分を眼からとりいれています。3次元的な視覚や認知なくして今日の文明はなりたちません。
本ブログでも3次元空間や立体視を重視しており、ステレオ写真をつかった立体視訓練・観察法などをとりあげています。自在に眼をつかいこなすことができれば、多種多量な情報を一気にインプットできます。3次元的に見て認識することは進化論的にみても意義のあることです。
▼ 注1
岡山シティミュージアム
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