
図1 食べることはインプットすること
食べることは食べ物を体内にインプットすることです。これにひきつづいてプロセシングがおこります。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2016年9月号でシリーズ「消化の旅」の連載がはじまりました。口から肛門までつながった消化管や、肝臓・膵臓などをあわせた「消化器系」をめぐる消化の旅に出かけようという企画です。
第1回は、「『食べる』の驚異のしくみ なぜ、むせずに飲み込めるのか?」と題して、口の中にはいり胃の入り口までむかいます。
おいしそうな香りがしてきて、おもわずつばを飲みこんだという経験は誰にでもあります。 「消化の旅」は、食べ物を口にいれる前からはじまっています。つば(唾液)の原料は血液であり、血液から唾液がつくられます。
「よくかんで食べなさい」と子供のころ注意されました。もぐもぐとかむのは、食べ物を物理的に歯ですりつぐすためだけではなく、唾液と食べ物をまぜるためでもあります。唾液には、食べ物の栄養素を体が吸収できる状態に変えていく「消化酵素」がふくまれています。
そして「喉元すぎれば熱さを忘れる」といわれるように、のどをとおりすぎた食塊は、その温度はもちろん、どのようにはこばれているのかすら実感しにくいものです。食べ物は、食道の「ぜん動運動」によって自動的に胃へとおくられます。
飲みこむ力は、老化による筋力のおとろえや脳の病気などでおとろえてきます。飲みこむ力をたもつためには、たのしく口をあけるカラオケやストレッチ体操で猫背をふせぐことなどが効果的です。
人間を、〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムとしてとらえなおしたとき、食べ物を口のなかにいれることは食べ物を外部から体内にインプットすることです(図1)。食べ物は喉元をとおりすぎてつぎのプロセシングの段階にはいっていきます。
第1回は、「『食べる』の驚異のしくみ なぜ、むせずに飲み込めるのか?」と題して、口の中にはいり胃の入り口までむかいます。
おいしそうな香りがしてきて、おもわずつばを飲みこんだという経験は誰にでもあります。 「消化の旅」は、食べ物を口にいれる前からはじまっています。つば(唾液)の原料は血液であり、血液から唾液がつくられます。
「よくかんで食べなさい」と子供のころ注意されました。もぐもぐとかむのは、食べ物を物理的に歯ですりつぐすためだけではなく、唾液と食べ物をまぜるためでもあります。唾液には、食べ物の栄養素を体が吸収できる状態に変えていく「消化酵素」がふくまれています。
そして「喉元すぎれば熱さを忘れる」といわれるように、のどをとおりすぎた食塊は、その温度はもちろん、どのようにはこばれているのかすら実感しにくいものです。食べ物は、食道の「ぜん動運動」によって自動的に胃へとおくられます。
飲みこむ力は、老化による筋力のおとろえや脳の病気などでおとろえてきます。飲みこむ力をたもつためには、たのしく口をあけるカラオケやストレッチ体操で猫背をふせぐことなどが効果的です。
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人間を、〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムとしてとらえなおしたとき、食べ物を口のなかにいれることは食べ物を外部から体内にインプットすることです(図1)。食べ物は喉元をとおりすぎてつぎのプロセシングの段階にはいっていきます。