イメージして文字を書きだしたら(アウトプットしたら)、今度は逆に、文字を見てイメージしてみます。

東京・池袋にある古代オリエント博物館で特別展「世界の文字の物語 -ユーラシア文字のかたち-」が開催されていました。文字の歴史と情報処理について再認識できる貴重な機会でした。

イメージして、文字を書いてアウトプットする 特別展「世界の文字の物語」(1) >>

わたしたちが情報処理をするときに、イメージをして文字(言葉)を書きだすという手順はとても自然なやり方であることが文字の歴史からもわかります。積極的に書きだしていくのがよいでしょう。

書きだすことによって情報は整理・圧縮されます。同時に、情報のひとまとまり(ファイル)が完成します。ファイルができると記憶もたしかになります。

すると今度は、書きだした文字を見直すことによって、そのもとになったイメージ(画像)を簡単におもいおこすことができるようになります。イメージして言葉を書いたのですが、言葉を見ることによってイメージできるという逆のことも容易になるのです。

文字とイメージとファイルをモデル(図式)にあらわすと図1のようになります。

160627 文字
図1 イメージと文字からなるファイル


文字はアウトプットの重要な手段ですが、一方で文字はイメージのインデックスの役割もはたします。つまりアウトプットをすればファイルが完成して、ファイルができるとその後の情報の検索・活用が容易になるということです。このように情報処理と同時にファイルの概念と活用法を理解することはとても大切なことです。

そもそも辞書はこのようなファイルの一大体系です。人間は、5千年にわたって情報処理をくりかえして文字と言葉を発達させ、同時にファイルをつくって情報を蓄積し体系化してきたのです。辞書なくして現代文明はなりたちません。

情報処理の流れとファイルの仕組みを理解し、これらの観点から言葉をとらえなおし活用していくことはとても重要なことであるといえるでしょう。


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