本書は写真集であり、北海道から沖縄までの日本各地の名勝・名所67ヵ所を、普段見ることができない空からの映像で紹介しています。サブタイトルは「雲に乗った気分で見てみよう」です。

山・川・海・橋・ダム・タワー・城など、 ページをめくるたびに雲にのったような気分になってたのしむことができます。

見ているだけでもたのしいですが、ここではさらに一歩ふみこんで、記憶法の教材としての本書のつかい方を紹介します。次の通りです。

 1. 最後まで本書を一気に見ます。
 2. 掲載地インデックス(140-141ページ)を見ながら、各イメージを順番に想起します。
 3. 再度、本書を見て確認します。

1. まず、本書を、あまり時間をかけずに最初から最後まで一気に見て、 写真(イメージ)を心のなかによくインプットします。 それぞれの写真についている見出し・説明・地図もよく見ます。

2. 140-141ページに、掲載地インデックスとして日本地図と掲載リストがのっています(下の写真)。今度は、このインデクスだけを見て(本書中の写真は見ないで)、それぞれの写真(イメージ)を 01番から順番におもいだします。どこまで正確に想起できるでしょうか。
 
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3. 再度、本書をよく見て、写真(イメージ)を順番に確認していきます。おもいだせなかったイメージはどれだったでしょうか。よくおもいだせなかったイメージについては、再度、写真を見て綿密にインプットしなおすようにします


このような訓練をしていると、日本列島の特定の場所(位置)に、67のイメージをむすびつけて記憶することができます。日本地図は、記憶想起(情報検索)のためのインデックス・チャートとしてつかえるようになります。

イメージが記憶できたら(想起できるようになったら)、本書のなかのそれぞれの説明(言語情報)もイメージにあわせて記憶します。イメージを想起することによって、その説明がおもいだせるようにします。

地図上の場所(位置)を見てイメージが想起でき、地名を見てイメージが想起でき、イメージをみて地図上の位置や地名や説明が想起できるようになるのが理想です。

このやり方は、日本地図(日本列島)を記憶のベースにして、その上で、場所と地名とイメージとその説明をむすびつけ統合・定着させていることになります。

この方法を実践していれば、国内ニュースを見たり国内を旅行したときに、さらに、あたらしい情報をむすびつけ記憶することも簡単になります。

従来のいわゆる地理学も、このような記憶法の観点からとらえなおすととても有用になります。

従来の勉強法ですと、大学ノートなどを用意して、それぞれの地域ごとに要点を箇条書きにまとめて記憶しようとしていました。

しかし、今回紹介した方法は、日本地図(日本列島)そのものをいわば記憶の「ノート」として活用するやり方です。日本列島は膨大な情報をたくわえることができ、また日本地図は、記憶想起(情報検索)システムとして成長していきます。

ポイントは、それぞれの地点について、目印となる写真を1枚ずつ用意するということです

本書にのってない場所で、 すでに行ったことがある場所 、興味のある地点についても、 本書を参考にして情報を整理・記憶していけばよいでしょう。


文献:斉藤香編集『日本縦断 空の旅』パイインターナショナル、2014年2月22日