質のいい睡眠がとれれば、睡眠中に情報整理がすすみ、記憶が定着し、必要な情報を引き出してつかえるようになります。

成井浩司著『快眠力』(ワック)は睡眠の重要性を指摘し、睡眠の質が脳の働きを大きく左右することを解説しています。


目 次
序章 現代人は睡眠を軽視している?
第1章 よい睡眠が若さの秘訣
第2章 睡眠が脳の働きを左右する
第3章 睡眠障害は病気をつくる
第4章 本当に怖い睡眠時無呼吸症候群
第5章 どうすればよい睡眠をとれるか


わたしたち人間が健康でいられるためには食事と運動とともに睡眠が重要です。質のいい睡眠は老化をとおざけ若さをたもちます。それにくわえて「睡眠が脳の働きを左右する」(第2章)ことがわかってきました。


睡眠は体の休息のためであるのはもちろんのことですが、発達した脳をきちんとした、よい状態で維持し続けるための修復装置でもあるのです。


つぎのような実験結果から睡眠中には記憶がすすむこともあきらかになってきました。


  • 朝9時に問題を記憶させ、夜9時に再試験をしたところ、正答率は10.1%の上昇でした。
  • 同じ作業を寝る前の夜9時に行って、翌朝9時に再試験をしたところ、18.7%上昇しました。
つまり、睡眠を挟んだほうが記憶の定着率がよかったというわけです。


本書では、睡眠と記憶に関する実験事例をこれ以外にもいくつもあげて「記憶は、眠っている間に定着する」と主張しています。

ここでいう記憶とは、情報をただ保存するだけでなく、情報を整理して保存し、あとで引き出してつかうことができるということです。睡眠中に、情報整理が自動的におこるというところが注目点です。




以上のことを、人がおこなう情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)という観点からとらえなおしてみると、記憶とはプロセシングをすすめることであり、プロセシングをすすめるもっとも基本的な方法は睡眠をとることであるということになります(図1)。


160706 睡眠

図1 睡眠はプロセシングをすすめる



わたしたちは日々、見たり聞いたり読んだりして意識の内面に情報をインプットしています。そしてプロセシングをすすめ、その結果にもとづいて書いたり話したり行動したりします(アウトプットします)。

たとえば資料や本などを読んで報告書をまとめなければならないとしましょう。

まず資料や本を読みます(インプットします)。そしてその日は寝ます。翌日になったら(あるいは翌日以後に)作文を開始します(アウトプットします)。インプットとアウトプットとのあいだに睡眠をはさむようにします。インプットしたら寝るのが一番ということです。

これに対して次のようなやり方はよくありません。資料や本を読みはじめましたが、1/3ほど読んだ時点で夜になってしまいました。中途半端でしたがその日は寝てしまいました。翌朝おきてからのこりの2/3を読みはじめ、昼頃に読みおわったのですぐに作文を開始しました。

このような中途半端な方法だと睡眠中の情報整理も中途半端なものになります。むしろ作文を1日おらせた方がよいです。睡眠をしっかりとってプロセシングを着実にすすめた方がよいのです。

質のいい睡眠がとれれば、寝ているあいだに情報が整理されて記憶もすすみ、朝おきたときにはすっきりした状態で創造的な活動ができるでしょう。




それではどのようにすれば質のいい睡眠がとれるのでしょうか。著者の成井浩司さんはつぎのようにのべています。


  • 朝はやくおきる(夜型生活はやめる)
  • 朝食をとる
  • 朝、太陽の光をあびながらあるく
  • 午後から夕方にかけて運動する


運動に関しては、たとえば通勤・通学で、最寄り駅の一駅二駅先まで家からあるいたり、職場や学校の一駅二駅手前でおりてあるくといった方法でもよいです。ライフスタイルは人それぞれですから各自で工夫してやっていけばよいでしょう。


▼ 引用文献
成井浩司著『快眠力 健康のすべては、快眠から始まる!』(Wac Bunko)ワック、2014年11月25日

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