海沿いの地域で、大きな揺れを感じたり、大津波警報が発令されたら、「津波てんでんこ」の方法でただちに避難しなければなりません。とにかく逃げることです。

南海トラフ巨大地震では大津波が発生し、津波到達まで最短で数分〜10分程度と予想されています。海沿いの地域にすんでいる人には津波対策が必要です。

つよい揺れを感じたり津波警報が発令されたらとにかくすぐに逃げなければなりません。たすかるためにはそれ以外に方法はありません。

ただしその前提として、家具や倒壊した家の下敷きになってうごけないということがないようにしておかなければなりません。つまり家具の固定と建物の耐震補強をあらかじめしておく必要があります。津波への備えは耐震対策からはじまるのです。

津波からの避難の方法として「津波てんでんこ」という教えが東北地方にあります。東日本大震災のときに、岩手県釜石市の小学生約300人がこの教えにしたがって避難し命をまもりました。「釜石の奇跡」とよばれています。

「津波てんでんこ」は端的にいうと、「津波がきたら、てんでんばらばらに逃げよ」ということですが、これは、自分だけがたすかればいいということではありません。事前に、家族や地域ではなしあって情報を共有し対策をたてておき、「その日」がきたら、お互いを信じて、自分の行動に責任をもって各自で避難するということです。事前にはなしあっておくことは次のようなことです。

  • どこに避難するのか
  • 避難の経路は
  • 高齢者や避難に手助けが必要な人を誰が手助けするか
  • 連絡のとり方

そして地域の避難訓練に参加し、避難の方法を体でおぼえるようにします。訓練をしながら、避難場所まで何分かかるか、非常時持出袋はこれでいいか、避難場所はここでいいのか、もっと高い場所はないかなどとかんがえます。訓練に参加することによって地域の人々との連携もうまれます。

海のそばに普段は住んでいない人でも、旅行や仕事で海沿いの町に行くことはあるとおもいます。そのときに津波に遭遇するかもしれません。事前に、避難場所と避難経路を確認しておきましょう。

そして「その日」になって避難場所についたら、決して家にもどってはいけません。津波はおもったよりも高速でやってきます。また何回もやってきます。


まとめ
  • 家具の固定と建物の耐震補強をあらかじめしておく。
  • 避難訓練に参加する。
  • 旅行や仕事で海沿いにきたら避難場所と避難経路を確認する。
  • つよい揺れを感じたり津波警報が発令されたらすぐに避難する。
  • 「津波てんでんこ」の教えをただしく理解し実践する。


▼ 引用文献
1981年よりも前に建てられた建物に注意する - 池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ!』(3)-
公的助成をえて家の耐震補強工事をする - 池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ!』(4)-
家具の転倒防止:突っ張り棒は壁際に - 池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ!』(5)-
野菜飲料をローリングストックしておく - 池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ!』(6)-

▼ まとめ記事
南海トラフ巨大地震から命をまもれ(まとめ)


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