写真1 両生類の足跡化石(古生代デボン紀中期、左足)
生物が、海のなかから陸上へ進出したことをしめす化石です。
(デボン紀:4億1900万年前〜3億5900万年前)
生物が、海のなかから陸上へ進出したことをしめす化石です。
(デボン紀:4億1900万年前〜3億5900万年前)
海の中で誕生した生物(生命)は、海から陸へ、空へ、宇宙へと進出し、空白領域をうめるように大躍進をつづけてきました。
特別展「生命大躍進」(注1)は、生命進化の大躍進(大進化)を知ることができる貴重な機会になっています。
写真はいずれも平行法で立体視ができます。大阪市立自然史博物館で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
地球上の最初の生命(生物)は海の中で誕生し、初期の生物は海の中で生きていました。
しかし古生代オルドビス紀(4億8500万年前〜4億4300万年前)になると、植物や無脊椎動物などの中に海の中から陸上へ進出するものがあらわれました。そしてデボン紀(4億1900万年前〜3億5900万年前)になると脊椎動物でも陸上に進出するものがあらわれました。魚類が両生類に進化したのです(写真1、2)。
写真2 エリオプス(両生類)の頭部の化石(ペルム紀前期)
海のなかから陸上へ進出した生物が両生類です。エリオプスは、当時の両生類のなかでは陸上生活にもっとも適応していたとかんがえられています。(ペルム紀:2億9900万年前〜2億5200万年前)
両生類は、繁殖のためには水辺にもどらなければなりませんでした。しかし一生を完全に水からはなれて生きることができる爬虫類が出現しました。爬虫類は、生物の陸上への進出を確実なものにしました。
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両生類は、繁殖のためには水辺にもどらなければなりませんでした。しかし一生を完全に水からはなれて生きることができる爬虫類が出現しました。爬虫類は、生物の陸上への進出を確実なものにしました。
写真3 スクトサウルス(爬虫類)の化石(ペルム紀後期)
くし状で溝のある歯で植物を食べていました。
写真4 カスモサウルス(恐竜類)の化石(白亜紀後期)
恐竜は爬虫類の一種です。(白亜紀:1億4500万年前〜6600万年前)
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中生代三畳紀(2億5200万年前〜2億100万年前)後期になると、広義の哺乳類が出現ました。
写真5 メソヒップス(哺乳類)の化石(始新世後期〜漸新世前期)
初期のウマ類の一種です。脚は、前後とも3本指で中央が長くなっています。(始新世:5600万年前〜3390万年前、漸新世:3390万年前〜2300万年前)
わたしたちヒトは哺乳類の一種です。
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このように生物の進化をみてくると、海の中で誕生した生物が陸上へ進出し、そのご鳥類が出現して空へ進出しました。海から陸へ、陸から空へということです。空のつぎはどこでしょうか。宇宙です。それは現代のヒトがおこなっていることです。こうして生物は、海から陸へ、空へ、宇宙へと空白領域をうめるように大躍進をしてきました。
こうして大躍進の歴史をみてくると、わたしたち生物には、空白領域をうめるように発展していくという本質があることがわかります。
わたしたちヒトは探検と開拓をくりかえしてきました。あるいは現代のビジネスでも隙間や空白領域をうめるように商品開発をしていきます。課題のもとで空白領域をさがしたり、未開拓な領域にチャレンジしていくという基本的性質がわたしたちにはそなわっています。いいかえると、おなじことをくりかえしているだけだと衰退してしまうということです。
現代のヒトは約50年前から宇宙への進出をはじめました。1969年に、アポロ11号のアームストロング船長が月面にしるした足跡は、写真1の両生類の足跡と同等の価値があります。宇宙へ行ったことがあるヒトはまだすくないですがこれから増加していくと予想されます。宇宙ホテルも建設されるでしょう。火星にも行くでしょう。進化はどこまでつづくのでしょうか。
写真6 進化の系統をみる来館者たち
▼ 注1
特別展「生命大躍進」
※ 大阪展終了後は、岡山シティミュージアムに巡回します( 2016年7月15日~ 9月4日)。
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