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写真1 カンブリア大爆発で出現した生物(チェンジャン生物群)
約5億4100万年前、カンブリア時代になると生物の種類と数が爆発的に増えました。これは生物進化史上最大級の出来事であり「カンブリア大爆発」とよばれます。


約5億年前のカンブリア時代に生物は眼を獲得しました。これにより環境(外界)を認知する能力が飛躍的に向上しました。

大阪市立自然史博物館で開催されている「生命大躍進」をみれば、進化史上最大の大躍進である「カンブリア爆発」について知ることができます。なかでも眼の進化は注目に値します。

写真はいずれも交差法で立体視ができます。大阪市立自然史博物館で撮影しました。

立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -  >>


地球に生物が誕生してから30億年以上ものながいあいだ、生物は目も口ももたない単純なつくりでしたが、約5億年前のカンブリア紀になると眼をもつ生物がはじめて出現しました。生物は視覚をつかって獲物をさがしたり、また危険を察知したりすることができるようになりました。


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写真 2-1 アノマロカリスの化石
頭部に一対の眼をもちます。遊泳性で、カンブリア紀でもっとも大型の捕食者といわれています。



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写真 2-2 アノマロカリスの化石
アノマロカリスの眼は昆虫と同様な複眼になっていました。そのレンズの数は1つの眼あたりで3万個以上になり、これは、現在のトンボを大きくうわまわる値です。



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写真3 クセナサフスの化石(三葉虫の一種、オルドビス紀中期)
オルドビス紀(4億8500万年前〜4億4300万年前)は温暖で南北両極に氷床がなく、海水面が高かった時代です。そのため大陸に海が進入して、世界各地にあさくひろい海底が出現しました。この三葉虫はそのような環境で大繁栄しました。標本のように、同世代の個体が群れて生活していたようです。



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写真4 パラルケオクリヌスの化石(ウミユリの一種、オルドビス紀中期)
オルドビス紀の浅海には多様なウミユリ類が生息して「ウミユリの園」をつくっていました。しかし約1億年前の白亜紀中期ごろを境にウミユリ類は浅海から姿を消し、現在まで深海に主に生息しています。



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写真5 ダンクルオステウス(復元模型) 
デボン紀(4億1900万年前〜3億5900万年前)後期の魚類です。頭部と胸部をおおう鎧のような骨性の板をもっています。体長は、6〜10mにもなると考えられています。手前はウミサソリです。




アノマロカリスは、現在の昆虫とおなじ複眼をもっていました。そしてその後、より高性能な「カメラ眼」をもつ魚類があらわれてきました。カメラ眼とは、カメラの構造に似た眼であり、眼のなかに水晶体(レンズ)があり、効率よく光をあつめたりピントをあわせたりすることができます。わたしたちヒトの眼もカメラ眼です。カメラ眼の獲得により環境(外界)を認知する能力が高まったわけです。

わたしたちヒトをふくむ動物は、目をつかって、環境(外界)から大量の情報をとりいれています(インプットしています)。眼は、もっとも重要な感覚器官(センサー)といってよいでしょう。もし眼がなかったら世界の認識は随分ちがったものになったにちがいありません。

このような眼の歴史が、約5億年前のカンブリア時代にはじまったことを知ることは興味ぶかいことです。

ヒトをふくむあらゆる生物は、環境(外界)から情報や物質をとりいれ(インプットし)、それらを処理し(プロセシングをすすめ)、情報あるいは不要になった物質を放出(アウトプット)しながら生きています。つまり〈インプット→プロセシング→アウトプット〉をする存在です。この〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムがどのように進化してきたかを知ることは重要なことだとおもいます。


▼ 注1
特別展「生命大躍進」
※ 大阪展終了後は、岡山シティミュージアムに巡回します( 2016年7月15日~ 9月4日)。

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進化における生命の大躍進をみる - 特別展「生命大躍進」(1)-
生命進化の物語がはじまる - 特別展「生命大躍進」(2)-

人間の〈インプット→プロセシング→アウトプット〉を理解する



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