自分自身の心の中から燃えあがってくるものを大切にするとプロセシングが大きくすすみます。

Eテレ「スーパープレゼンテーション」で、ケネス=シノズカさんが「祖父を守るためのシンプルな発明」というテーマでプレゼンテーションをしていました(注1)。


ケネス=シノズカさんはアメリカ在住の高校生です。両親は共働きで、幼少期は祖父と多くの時間を過ごしました。6歳の時、知り合いの高齢者が風呂で転倒したことをきっかけに、床に取り付けられたセンサーが転倒を感知すると家族の腕時計のアラームが鳴るという“スマート風呂”を発案しました。その後も、所定の時間になると飲む薬をランプで知らせる薬箱など高齢者向けの発明を続けました。14歳で、アルツハイマー病患者のはいかいを介護者に知らせる靴下型のセンサーを開発しました。


番組のなかで、ナビゲーターの伊藤穰一さんがつぎのようにのべていました。
 

カスタマイズから始まって、最後は自分でつくるという時代になったことは、とても重要な変化だと思います。自分でつくるためには自分の中から燃えあがってくるものを大切にしなければなりません。そういう意味では子供や生徒をほめすぎるのもよくありません。ほめられるために頑張るということではないとおもいます。


このコメントのなかで「自分の中から燃えあがってくるものを大切に」というところに注目したいとおもいます。これからのあたらしい時代を生きていくうえで非常に重要なポイントになるとおもいます。自分自身の心の内部から燃えあがってくるものをしっかりとらえ、自分自身が本当にとりくみたいことは何なのかを明確にするようにします。

これは、ほめられるために、高い評価をえるために頑張るという生き方とはちがいます。ほめられるためにというのは自分の外部の期待にこたえようとすることです。外部とはたとえば親や先生や上司のことです。高い評価をえるためにという人は、今はくるしくても頑張るかもしれませんが、そのような生き方では今は単なる手段になってしまいます。このような意味では、学校などでおこなわれてきた賞罰教育もみなおさなければなりません。賞罰教育は、他人が見ているかどうかをたえず気にする子供をそだててしまいます。

そうではなくて大切なのは自分自身の心の中です。情報処理をする存在として人をとらえなおすならば、自分自身のプロセシングこそが重要であるということです。他人のプロセシングではなくて。自分自身のプロセシングは自分自身の心(意識)の中でおこります。プロセシングをよりよくすすめるためには、心の中で燃えあがってくるもを大切にしたほうがよいといえるでしょう。


▼ 注1