図1 3段階をふんで問題解決をすすめる
問題解決のそれぞれの段階の内部で、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をおこないます。問題解決と情報処理がつくる構造がフラクタルになっていることに気がつけばなおよいです。
問題解決の第1段階では、関連情報を大観し課題を設定します。第2段階では、特定の課題のもとで情報を収集します。たとえば第1段階でグローバルにとらえて課題をあきらかにしたら、第2段階では分野や領域や地域をしぼりこんで情報収集をします。そして第3段階では状況を判断します(あるいは本質を追求します)。問題解決はこのような3段階をふんでおこなった方がうまくいきます(図1)。
1:大観と課題設定
2:情報収集
3:状況判断(あるいは本質追求)
状況判断をしたらあらたな行動をおこしていきます(注1)。行動するためには計画をたてなければなりません。計画は、まず方針をさだめ、つぎに目標を決め、そして手順を立案します。目標を決めることは構想することであり、具体的なビジョン(イメージ)をえがくことが大切です。
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このとき、問題解決の各段階の内部で情報処理をおこないます。情報処理〈インプット→プロセシング→アウトプット〉を〈1→2→3〉と簡略にあらわすことにすると図2がなりたちます。
1:インプット
2:プロセシング
3:アウトプット
図2 問題解決の各段階の内部で情報処理をおこなう
このように模式図(モデル)であらわすと問題解決も3段階であり情報処理も3段階であることがよくわかります。けっきょく、問題解決とは大きな情報処理をおこなうことだといえます。
情報処理は漠然とくりかえしているよりも、このような問題解決の段階を意識しながらおこなった方が効果が大きいいです。またそうした方が情報処理能力が向上します。
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図2をみて、これがフラクタルな構造になっていることに気がつくとなおよいです。フラクタルとは、部分が全体と相似(自己相似)となるような構造のことです(注2)。あるいは入れ子構造もしくは階層構造になっているといってもよいです。フラクタルはもっとも共鳴がおこりやすい仕組みであり、情報処理と問題解決の効果があがりやすい構造です。
ところで問題解決は第3段階までいけばそれでおわりでしょうか。そうではありません。そこまでいくとそれがより高次元の第1段階になります。そしてより高次元の第2段階、第3段階にすすんでいきます。フラクタルはさらに大きく発展していくのです(図3)。
図3 フラクタルは発展する
このようなフラクタルのイメージがえがけるでしょうか。フラクタルのイメージがえがければ情報処理と問題解決の構造は理解できたということになります。フラクタルはどこまでいっても、どこまで大きくなってもフラクタルであり、結局〈1→2→3〉があるだけです。
▼ 注1
行動はアウトプットの一種です。
▼ 注2
フラクタルとは、規模の尺度を変えてもおなじ形があらわれる自己相似の構造ということもできます。
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