今回は、川喜田二郎著『発想法』の第 III 章「発想をうながすKJ法」から、第4場面「累積的KJ法」(111〜114ページ)について解説します。
要点は次のとおりです。
紙きれづくり→グループ編成→A型図解→B型文章化までを1サイクルとすると、そのサイクルを累積的にいくつも重ねる。文章化の途中で自分が生みおとした大小おびただしい数のヒントを、もう一度見つけることができる。これらのヒントとか仮説をもう一回紙きれを用いて採集するのである。時として副産物から、すばらしいものも生まれる。
「発想をうながすKJ法」について、情報処理の観点から、本ブログではこれまでに以下のように整理してきました。ここでは、紙きれ・紙片・付箋などを総称して「ラベル」とよびます。
第1場面: ラベルづくり〔探検(取材)する→情報を選択する→一文につづる〕
第2場面
(その1): グループ編成〔ラベルをよむ→ラベルをあつめる→表札をつける〕
(その1): グループ編成〔ラベルをよむ→ラベルをあつめる→表札をつける〕
(その2): 図解化〔表札をよむ→空間配置する→図解をつくる〕
第3場面: 文章化〔図解をみる→構想をねる→文章をかく〕
これら第1場面から第3場面までを1サイクルとします。そして、その過程であらたにえられたヒントやアイデア・仮説などを、あたらしいラベルに一文につづります。つまり、ふたたびラベルづくりをおこないます。そして、第2場面、第3場面と、あらたな情報処理のサイクルを展開します。
こうして、情報処理のサイクルが確立し、もっと大きな仕事や問題解決へと発展していきます。仕事や問題解決とは情報処理の累積にほかなりません。
文献:川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日
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