問題を解決する方針がさだまったら、つぎに目標を設定します。

ある課題(問題)のもとで、それを解決するための方針がさだまったら、つぎにやるべきことは目標設定です。方針とはこちらの方向へ行こうということですが、目標とは到達すべきゴールのことです。問題解決の方向がさだまったらゴールを設定しなければなりません。

そのゴールは、達成されたときの様子がイメージとして具体的におもいうかべられるようなものでなければなりません。別言すれば、鮮明なビジョン(構想)になっていなければなりません。したがって目標を設定するとは構想することだといってもよいでしょう。

方針が明確にさだまっていると鮮明なビジョン(イメージ)がえがきやすいです。それに対して、迷いがあるとイメージも曇ってしまいます。また方針をさだめずにいきなりせっかちに目標を決めてしまうと、ビジョンは萎縮したものになるか、あるいはビジョンをイメージすることがないまま目標にまっしぐらなんてことになったりします。しかしそのようにいそいだりあせったりするとどこかでつまづいてしまいます。 

あくまでも目標は方針に密着すべきです。そして内外の状況をよくみて短所欠点よりも長所利点に着目するようにします。

ビジョンづくりとはひとつの創作です。そこには発明的性格があった方がよいです。方針にかなうなら大胆に飛躍せよということです。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年
川喜田二郎著作集 (第5巻) KJ法―渾沌をして語らしめる